JX-ENEOSサンフラワーズ

ディフェンスから走る、JX-ENEOSのバスケット

皇后杯の決勝はJX-ENEOSサンフラワーズとデンソーアイリスが対戦。『女王』の強さを見せ付けたJX-ENEOSが前半からデンソーを圧倒し、83-53の完勝で7年連続の優勝を飾った。

立ち上がりは両チームともエナジー満点。吉田亜沙美が激しいプレッシャーを受け、篠原華実が強烈な当たりで倒される。リバウンドから速攻に持ち込むバスケットを貫くJX-ENEOSに対し、デンソーは積極性を前面に押し出し、チャンスと見ればすぐさまシュートを打っていく。早打ちの傾向はあったがこれを確率良く決めることで点の取り合いに。デンソーはゾーンディフェンスでJX-ENEOSのリズムを崩し、エース髙田真希のミドルジャンパーで16-17と1点差に迫るが、宮澤夕貴が3ポイントシュートを決めて流れを渡さない。

それでも第2クォーターにJX-ENEOSが抜け出す。宮澤の3ポイントシュートに宮崎早織の高速ドライブによるバスケット・カウントで28-18とリードを2桁に広げ、その後も宮崎と吉田のツインガード起用でデンソーの前線からのプレッシャーをかわし、デンソーに立ち直るきっかけを与えない。インサイドを崩せず、外からのシュートもリズムが悪く決まらないデンソーは6分間無得点。宮澤から渡嘉敷へのハイローであっさりインサイドを破ったJX-ENEOSが40-20と差を広げた。

点差が広がった後半もJX-ENEOSはディフェンスで緩みを見せず、宮崎と岡本彩也花がリバウンドから速い攻めをクリエイトする。デンソーも髙田を中心に反撃に出て11点差まで詰めるも、そこから宮澤、岡本、宮澤と3ポイントシュートが3本立て続けに決まって57-39と突き放されることに。最後までJX-ENEOSが攻守に上回り、83-53の完勝を収めた。

髙田真希

自分たちのミスを悔やむも「勝てなくはない」

デンソーは今回もタイトルに手が届かなかった。髙田真希は14得点を挙げたものの、渡嘉敷とのマッチアップに苦しみフィールドゴール16本中4本と確率は低く、チームを勝利に導くには至らず。「結果的に30点差がついているので、力の差があります」と、髙田は潔く負けを認めた。

ただ、JX-ENEOSに手も足も出ずにやられたとは考えていない。強大なライバルではあるが、少しずつでもそのレベルに近づいているという感覚はある。「本当に、点差よりも自分たちがやろうとしていることはできています。その時間を延ばせば勝てなくはないと思います。今日は不意に気を抜いたところでやられて、自分たちのミスに付け込まれたところが点差が開いた一番の要因」と、あくまで自分たち次第だと考える。

渡嘉敷とのマッチアップについては「率直に楽しかった」と振り返る。シュート確率については「アグレッシブに攻めた部分はあって、シュートをまずは打てと言われているのでそこは良かった。ただイージーシュートを落としています。他のチームにはできても、JX-ENEOSが相手だとできないところが自分の課題」と語る。

髙田と渡嘉敷のマッチアップは、女子とは思えないパワーとクイックネス、そして勝手知ったる選手同士の読み合いというレベルの高い面白さがあった。打倒JX-ENEOSに向けて、髙田の挑戦はまだまだ続いていく。

渡嘉敷来夢

渡嘉敷来夢「これで2020が始まった気持ちに」

今シーズンからJX-ENEOSの指揮を執る梅嵜英毅ヘッドコーチは、「7連覇ですが私は初優勝です。緊張はなかったけど選手たちに負けをつけさせることが絶対ないようにした」とタイトルに懸けた強い思いを語る。またキャプテンを務める岡本は「うれしいけどホッとした気持ち。ベンチも含め40分間全員で戦えたからこういう結果になった」と、チーム一丸の戦いでファイナルラウンドの3連戦を勝ち切ったことを誇った。

現役復帰から最初のタイトルを無事に手中に収めた吉田は「素直にうれしいのと、またこのチームでチームメートと一緒にプレーして優勝の瞬間を過ごせたのがすごく幸せなことだった。戻って来て良かった」と語るとともに、「リーグに向けてステップアップしていきたい」とシーズン2冠への思いを新たにした。

そして『チームの顔』である渡嘉敷は、髙田を抑える役割をきっちりと果たすことで優勝に貢献。「髙田選手とマッチアップする時間が長くて、そこに気合いを入れすぎてオフェンスではシュートに力が入って良い場面がなかったけど、相手の中心選手を抑えることができて良かった」と語る。

渡嘉敷は続ける。「この大会が終わって、やっと『あけましておめでとう』と言えます。これで2020が始まった気持ちになります。優勝して良いスタートが切れて、次はリーグ戦で自分たちのバスケで優勝したい。個人的にはまだまだ伸びしろがあると思っています」