ジュニアオールスターのMVPプレーヤーが代表入り
Bリーグは9月末に開幕した。11月24日に開幕するワールドカップアジア1次予選に向けた強化合宿も、リーグ戦の『隙間』を縫って行われている。
フリオ・ラマスヘッドコーチの下、10月30日から11月1日には第9次合宿が東京都内で行われる予定だ。今回は横須賀市立坂本中3年生の田中力が招集された。
田中は今年3月のジュニアオールスター(第30回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2017)で神奈川県選抜の優勝に貢献、MVPにも選ばれた。決勝戦では59点中34点、準決勝でも68点中43点を挙げるなど、驚異的なパフォーマンスを見せていた。
彼は坂本中のバスケ部員だが、横浜ビー・コルセアーズU-15にも所属。関東アーリーカップの前座試合では、千葉ジェッツのU-15チームと対戦しており、そのプレーを覚えているBリーグファンもいるだろう。
中3の春で185センチという身長は日本のバスケ選手の中でも「大型」と言い得るレベルだ。しかし彼のプレーはゴール下で待つ、高さと強さで勝負するインサイドプレイヤーではない。「ハンドラー」としてまずボールを持ち、ドリブルでゴール下へ切れ込み、相手が距離を取って突破を警戒してきたらフリーで3ポイントシュートやミドルを沈める。例えるなら富樫勇樹のような、攻撃的なアウトサイドプレイヤーだ。
アメリカ人の父を持つというバックグラウンドもあり、しなやかでバランスの良い、バネのある動きが光るアスリートでもある。一瞬の加速、重心移動でマークを剥がしてしまうプレーは、昨シーズンにアルバルク東京で活躍したディアンテ・ギャレットを彷彿とさせるものだ。
過去にも田臥勇太など高校生で代表合宿に招集された選手はいるが、中学生での参加は間違いなく史上最年少。ただ世界を見ればリッキー・ルビオ(ジャズ)は14歳11カ月でプロデビューを果たし、17歳8カ月でスペイン代表デビューを果たしている。15歳の彼がすぐに代表デビューを果たすことは現実的ではないかもしれないが、2019年のワールドカップ、2020年の東京オリンピックでプレーする可能性は少なからずある。少なくともNBA進出を目指す彼にとって、今回の合宿参加は飛躍に向けた最高のステップになるはずだ。