写真=Getty Images

第4クォーターのマッチアップで完封し勝利を呼び込む

10月26日にUWミルウォーキー・パートナー・アリーナで行なわれたセルティックスvsバックスで、見応えのあるマッチアップが見られた。セルティックスが72-69とリードした状態で迎えた第4クォーター。セルティックスのヘッドコーチ、ブラッド・スティーブンズは、ルーキーのシェミ・オジェレイにヤニス・アデトクンボのマークという大役を任せた。

今シーズンのMVP候補にルーキーをぶつけるなど、バックスの選手たちは心の中で嘲笑したかもしれない。しかし、オジェレイはアデトクンボの前に立ちはだかり、高い身体能力、フィジカルの強さ、フットワークを駆使してタフショットを打たせ、ほとんど何もさせなかった。

オジェレイがアデトクンボを抑える間に、セルティックスはリードを2桁まで広げて勝利。試合後にオジェレイは、アデトクンボとのマッチアップについて「良かった。いつだってべストプレーヤーと対戦したいからね。そうすれば、最高峰のレベルの選手に自分が対抗できることが分かる」と語った。

以前からオジェレイのディフェンス能力を評価していたスティーブンズの策が機能した。指揮官は「彼には身体の強さと身体能力を生かして、相手のベストプレーヤーを抑える役割を担ってもらう」と話した。

オジェレイはドラフト全体37位指名と決して高い評価を得ていたわけではないし、バックス戦までにNBA公式戦で37分しか出場時間を与えられていなかった。それでも勉強熱心な彼は対戦チームのプレー映像を見て分析し、練習でも守備に力を注いでいるという。

「映像を見て、常に準備するんだ。分析して、相手の癖を把握する。その上でやれることをするんだ。映像を見ながら、スタッフから助言ももらえるし、自分でも誰とマッチアップするか予想することはできる。それでも、実際にはどうなるかは分からないからね。だからこそ、気持ちの部分で準備を整えておかないといけない」と、オジェレイは言う。

まるでベテランのコメントだが、この落ち着きもオジェレイが優れたディフェンダーである要因。バックス戦では無得点に終わったものの、何点か取るよりもアデトクンボを抑えるほうがよほどインパクトは強い。たった1試合で『エースキラー』と見なされるようになったオジェレイが今後の試合で経験豊富なスター選手たちとどんなマッチアップを繰り広げるのか、楽しみだ。