福岡大学附属大濠

『堅守速攻』で13-0のラン、30点差の大勝

ウインターカップ男子準決勝、福岡大学附属大濠(福岡)と北陸(高校総体2位)の対戦は、堅いディフェンスから素早い攻守の切り替えで次々とイージーシュートのチャンスを作り出した大濠が99-69で快勝。福岡第一の待つ決勝進出を果たした。

第1クォーター、大濠は西田公陽、北陸は髙橋颯太を中心に揃って3ポイントシュートを確率良く沈めて互角の展開で終える。第2クォーターに入っても均衡が続くが、残り6分に大濠は2点を追う状況から平松克樹の速攻など走る展開に持ち込み13-0のランで逆転。50-40と2桁のリードを得て、前半を終えた。

第3クォーターに入っても大濠の勢いは止まらない。「後半は自分の思ったようにボールプッシュができて気持ち良かったです」と振り返ったエースの横地聖真は、持ち前のパワフルなドライブで北陸守備を切り崩し、自ら得点するだけでなくパスの供給役としても大暴れ。後半スタートから11連続得点で、リードを一気に20点以上にまで広げた。

その後、なんとか追い上げを図りたい北陸だったが、準々決勝では大当たりだった3ポイントシュートが、この試合は35本中11本の成功にとどまる。一方、大濠はその後も25得点12リバウンドの木林優の攻守に渡る活躍などで主導権を握り続け完勝した。

福岡大学附属大濠

「後半に距離感を狂わせることができました」

大濠の片峯聡太コーチはこの試合のゲームプランについてこう説明した。「5番の高橋君、12番の米本(信也)君の3ポイントシュートを抑えること。そして、ダンテ(スレイマニ)君にオフェンスリバウンドを取らせない。それ以外のことは何一つ要求しないで、この3点だけをどんなことがあってもやろうと徹底して臨みました」

その上で、「キャプテンの西田(公陽)と高木(寛大)が米本君を、それから田邉(太一)が高橋君のマークでしっかり奮闘してくれました。第1クォーターは少しやられましたけど、試合が進むにつれてプレッシャーがジャブのように効いて、後半に距離感を狂わせることができました。この3つができたことで、走ることができて勝利をつかめたと思います」と、ゲームプランを遂行した選手を称えた。

実際、前日の明成戦では2人合わせて15本の3ポイントシュートを成功させた高橋、米本のシューターコンビを、合計7本成功に半減させたのは、大濠にとって試合の流れを引き寄せる大きな助けとなった。

決勝の相手は福岡第一となるが、指揮官は「福岡対決というところで変に力みすぎないようにしたい」と、同県対決で大きな注目を集める中でいかに平常心でプレーできるかが大切と語る。

福岡大学附属大濠

「チーム一丸となって第一を叩き潰したい」

この日、21得点11リバウンド5アシストの横地は、福岡決戦への思いを次のように明かす。「福岡第一がいたからこそ、(福岡の出場枠が増えて)この場に立たせてもらえているので感謝しています。第一には、1年生の冬以降は一度も勝てていない。今まで負けていましたが、最後に勝てば本当の覇者だと思うのでリベンジしたい」

ここまでの対戦成績では福岡第一の圧倒的有利。だが、「強いけど、完璧なチームはいない。お互い良いところ、悪いところも分かり尽くしているので面白い対決だと思います」と横地が言うように、勝負に絶対はない。

ただ、大濠がこれまでの雪辱を果たすには、横地がエースに相応しい活躍を見せないといけない。「相手は抑えてくると思いますが、それでもどんどんアタックしていき、周りをうまくアシストしたいです。みんなを信じてパスを出し、チーム一丸となって第一を叩き潰したいです」と語った彼が、有言実行で味方のシュートチャンスを次々と作り出していければ、大濠の勝機はより大きくなる。