文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

人もボールもよく動く西宮のチームオフェンスが機能

ともに開幕から1勝5敗と出遅れた西宮ストークスと滋賀レイクスターズの対戦。チームオフェンスが機能した西宮が今シーズン初の80得点を記録。5連敗スタートの後に連勝を記録した。

ケガ人が続出している滋賀は、不動のスタメンだった長谷川智伸がケガで欠場。それでも鼻骨を折った狩野祐介がフェイスガードを着用してコートに立ち、左足首捻挫からの回復が間に合ったディオール・フィッシャーも出場。オン・ザ・コート「2」の第1クォーター、フィッシャーとオマール・サムハンのポストプレーを起点にパワフルな攻めを見せ、20-15とリードを奪う。

それでも第2クォーターになるとオン「2」になった西宮が反撃。ドゥレイロン・バーンズを起点とするも、人もボールもよく動いて外国籍選手に依存しないチームオフェンスを展開する。さらにはリバウンドで16-6と圧倒。リバウンドから速い展開でイージーシュートのチャンスを作り出し、フィールドゴール20本中12本(60%)と高確率で決めて大量28得点を稼ぎだした。

滋賀は反撃ムードを断ち切る2回のアンスポで自滅

後半立ち上がり、滋賀は並里成の連続得点を機に10-2のランで一気に1ポゼッション差まで詰め寄る。それでも西宮が取ったタイムアウトの後に0-8のランを返されて突き放されてしまう。ファンブルしたボールを奪われた樋口大倫が速攻に行きかけた道原紀晃を後ろから止めてしまい、アンスポーツマンライクファウルをコールされ、その後もターンオーバーを連発。一度は流れを引き寄せたが自滅してしまった。

最終クォーター、50-63と13点のビハインドを追いかける滋賀はまたも並里の頑張りにより8-0のランで追い上げる。ところが60-66と射程圏内にとらえた残り5分27秒、ボールのないところでのポジション取りでサムハンの肘が谷口淳に入ったとして痛恨のアンスポーツマンライクファウル。第3クォーターに続く自滅で失速してしまった。

残り1分50秒、バーンズからシュートフェイクを入れてコナー・ラマートへ、ラマートもシュートフェイクを入れてゴール下の谷口へ、そして谷口からのキックアウトで左コーナーで完全フリーになった谷直樹へ。谷がコーナースリーを確実に沈めて78-68、これで勝負アリ。最終スコア80-71で西宮が勝利した。

6連敗の滋賀、若い高橋のハッスルプレーは収穫

チームルールを徹底できないディフェンスの脆さ、そして勝負どころでのターンオーバー連発と悪いところばかりが目についた滋賀。開幕戦に勝利した後、これで6連敗となった。

それでも高橋耕陽のハッスルプレーは収穫だ。開幕節に出場した後は2節連続でベンチ登録から外されていたが、久々の出場で4本の3ポイントシュートを含む18得点、2アシスト3スティールを記録した。「2週間ベンチに入れずいたので、若さを生かしてアグレッシブにいきたいと思ってました」と高橋。長谷川の復帰までにはまだ時間がかかりそうなだけに、このタイミングでプレータイムが伸びるであろう高橋の成長が滋賀の先行きを大きく左右しそうだ。