超マジメな帰化選手アイラ・ブラウン、ワールドカップ予選まで合宿所暮らしも辞さない過密日程を『大和魂』で乗り切る!

2017/10/21
Bリーグ&国内
903

文・写真=鈴木栄一

「ポイントフォワードのような役割となってくる」

10月18日、男子代表はワールドカップアジア1次予選、11月24日のフィリピン戦、27日のオーストラリア戦に向けた強化合宿を報道陣に一部公開した。

アイラ・ブラウンが日本国籍を取得して代表に加わってから1年が経過。今ではすっかりチームに馴染み、代表に欠かせない戦力となっている。この日も彼のエネルギッシュなプレー、そして盛んに声を出して練習を盛り立てる姿は目立っていた。

新たに学ぶフリオ・ラマスのバスケットについては大いに気に入っている様子。「アルゼンチンのバスケットボールについては、過去にアルゼンチンで6カ月プレーしているから経験済み。アルゼンチンならでは激しいプレースタイルは好きだよ。そしてコーチは、チームにとってベストなことにストレートに取り組んでくれる。一緒にやっていくのが楽しみだ」

代表における自身の役割については次のようにとらえている。「琉球とはプレースタイルが違うけど、ポストアップからのシュート、アウトサイドシュートを狙うところは同じ。そしてショットブロック、リバウンドをしっかりこなす。チームプレーヤーとして動く意味では同じだ。何よりもチームのシステムにそってプレーする。ゴール下にアタックして、ノーマークの選手を見つける。ポイントフォワードのような役割となってくるだろうね」

ちなみにリーグ戦におけるブラウンの数字を見ると、ここまでの6試合のうち、3試合で6アシスト以上をマーク。1試合平均4.2アシストはチームトップの数字。すでに琉球においては攻撃の起点となるポイントフォワードとして活躍している。

これから1カ月間の『超過密日程』をこなす

24名の代表候補選手たちは、これから個のレベルアップとチームとしての成熟に努めなければならないが、同時に現実的な問題として『超』が付くほどの過密日程をこなすことになる。来週にはBリーグの平日開催があり、その後は毎週月曜から水曜が味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での強化合宿。これが11月下旬のワールドカップ1次予選まで続く。

毎週末のリーグ戦を終えた直後に東京のNTCに移動。そして合宿終了後、各チームに戻ってすぐにリーグ戦。特にブラウンはNTCから最も離れた位置にある琉球ゴールデンキングスの所属だ。今週から来週にかけての彼のスケジュールは、18日に強化合宿を終えた後もNTCに留まり、20日に一人で島根入り。現地でチームと合流して、島根スサノオマジックと対戦する。25日には再び敵地で京都ハンナリーズと対戦。そして沖縄に戻りホームで千葉ジェッツと対戦し、30日には東京のNTCに戻って来る。

身体だけでなく気持ちも休まらないであろう過密日程だが、チーム最年長の彼は「クレイジーなスケジュールだからこそ身体のケアを念入りに行い、メンタル面の準備もしっかりしたい」と士気は高い。それもこれも、1カ月後に控えているのがワールドカップ予選本番、決して負けられない試合だからだ。

ブラウンは「近くにビーチもあってリラックスできるし、本当に素晴らしいよ」と沖縄暮らしに早くも馴染んでおり、沖縄で過ごす期間が極端に減ることに寂しさを感じている。ただ、「しばらくはNTCでの暮らしに慣れないといけないけど、NTCでは身体のトリートメントがしっかり行える環境があるからプラスだよ」と気持ちを切り替えている。

「同じチームで呼吸を合わせるには時間も必要だ」

ラマス体制で初の国際大会となったアジアカップは厳しい結果に終わってしまった。ブラウンは言う。「アジアカップの時は、ラマスが就任してからすぐの大会で、チームプレーを作り上げる時間がなく、これが一番の弱点だった。ただ、韓国やオーストラリアにも対抗できることは示せた。時間をかけてチームとして互いをより知っていければ、どんどん良くなっていくよ」

相互理解を深めなければいけないのは今も同じ。コーチも選手もお互いの考えをすり合わせている段階だ。「特に新しく代表に選出された選手たちは大変だろう。今まで敵として戦うことで知っていても、同じチームでプレーして呼吸を合わせるには時間も必要だ」とブラウンはその難しさを語る。

だからこそ、代表で過ごす時間は大切だし、ほんの少しも無駄にできない。琉球で、そして日本代表で、どちらでも100%のベストを尽くすのが彼にとっては当然のことなのだ。