ド派手な千葉ジェッツのバスケに圧倒されながらも我慢を続けた京都ハンナリーズ、ラスト10分を26-6の大反攻で逆転勝利!

2017/10/09
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

スピーディーで派手な千葉の楽勝ムードが漂うも……

千葉ジェッツと京都ハンナリーズの第2戦。初戦を危なげなく勝利した千葉が終始リードするも、京都が第4クォーターに26-6と怒涛のパフォーマンスを見せて逆転勝利を収めた。

立ち上がりは互いにディフェンスが目立ち、イージーシュートの機会がない重たい展開に。ギャビン・エドワーズがアグレッシブにプレーするも、ゴールテンディングに永吉佑也と激突してのアンスポーツマンライクファウルとハッスルが裏目に出る。それでも第2クォーターに入ると千葉にエンジンがかかり、相手の細かいミスを逃さずボールを奪っては走る展開を作り出す。

トニー・ガフニー、伊藤俊亮の下支えを受けつつ富樫勇樹やアキ・チェンバースが強力にボールをプッシュ。重い展開に持ち込みたい京都の思惑を打ち破り、この10分間だけで7本のスティールを決めて得点へとつないだ千葉が35-28とリードして前半を終えた。

そして第3クォーター、最初のプレーで富樫のファストブレイクが決まり、エドワーズとマイケル・パーカーが立て続けにブロックショットを決めて5163人と大入りの観客を沸かせる。富樫がスピードに乗ったドライブから得点を量産、小野龍猛も京都のゾーンディフェンスの隙を突いて3本の3ポイントシュートを決めてこのクォーターで11得点。アグレッシブなディフェンスからの速攻、得意の展開に持ち込む千葉の楽勝というムードが船橋アリーナに漂い始めていた。

地味だが効果的な働きで我慢、最終クォーターに爆発

それでも京都はしぶとく耐えていた。帰化選手のパーカーの存在で、オン・ザ・コート「1」の時間帯はどうしても千葉に分がある。千葉がオン「2」で京都が「1」だった第2クォーター、両チームともにオン「1」だった第3クォーターを取られたが、千葉の勢いに飲み込まれつつも大崩れせずに踏み留まった。チームとして流れを呼び込むことができない状況でも、伊藤達哉、岡田優介、ジョシュア・スミス、綿貫瞬が個々のハッスルプレーで試合をつないでいた。

特に効いていたのは『150kgセンター』のスミスだ。チームとして有効な攻め手を見いだせない状況、ゴール下でボールを受けては重量で押し込み、着実に得点を重ねていく。一度は伊藤の厳しいマークにキレそうになりながらも自制心を保ち、ファストブレイクに3ポイントシュートと派手な千葉のオフェンスとは対照的に、見栄えはしないが効果的な働きで試合をつないだ。

第3クォーターを終えて62-51、京都は最大16点あったビハインドを詰め、10点前後の差で食らい付いていた。そして両チームともオン・ザ・コート「2」の最終クォーターに最高のパフォーマンスを見せる。まずはディフェンス。第3クォーターまで17得点を稼いだ富樫を片岡大晴がマッチアップして自由を奪い、さらにはシュートタッチが悪くオフェンスで貢献できずにいたジュリアン・マブンガとマーカス・ダブが守備でハッスル、強烈なプレッシャーをかけてゴール下でのシュートを打たせない。

これで千葉が我慢できなくなってしまった。大野篤史ヘッドコーチが敗因に挙げたのは、この場面でのオフェンスの停滞ではない。「オフェンスがうまく行かない時に我慢してディフェンスしなければいけないところで、それができなかった」と振り返る。千葉は攻め急いではボールを失い、守備でもそれまでの粘りを失っていた。

殊勲の永吉「負けていても誰一人あきらめていなかった」

京都は約6分間、千葉に得点を与えず、この間に内海慎吾が2本、マブンガが1本の3ポイントシュートを含む17-0のランで一気に逆転に成功する。残り1分を切ったところで永吉が値千金の3ポイントシュートを決めて73-66。この一本が決定打となり、京都が77-68で逆転勝利した。

昨シーズンには強豪相手に劇的な逆転勝利を何度か挙げている京都だが、今シーズンもその持ち味は変わらない。相手の時間帯が長く続いても我慢強く耐え、最後に一気にひっくり返した。

浜口炎ヘッドコーチは勝因を次のように語る。「何とか1桁をキープしたのが一つ。そしてバスケットは5点シュートや10点シュートがないので、一つずつディフェンスで頑張ること。点数が離れた時にクイックショットを打っても点数が離れるだけなので、そこだけ注意しながら。チームのプランどおり、選手が実行してくれた。アウェーで千葉に1勝1敗は、今のウチのチーム状態からしたら上出来で、うれしいです」

我慢の展開の中で攻守にチームを引っ張る働きを見せた永吉はこう語る。「第3クォーターが終わるまでずっと我慢の展開が続けられたのが1つ目。2つ目は第4クォーターにチームが一丸になれたこと。負けていても誰一人あきらめていなかったし、それが第4クォーターの6-26という結果を生んだ」

好成績を収めた昨シーズンからの継続路線で千葉が安定した強さを発揮するのは開幕前から想定されていたこと。しかし京都も、メンバーは変わりながらもチームのアイデンティティは変わっていなかった。千葉を相手に『耐えて勝つ』成功体験ができたことで、今後の試合でも粘り強さは発揮されるだろう。昨シーズンのプレーオフ進出チームである三遠ネオフェニックスと千葉と対戦しての3勝1敗は上々のスタート。京都は西地区をリードする存在となりそうだ。