「戦う姿勢、自分たちのやってきたことを貫けた」
12月14日、第71回全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)の女子決勝が行われ、東京医療保健大が72-60で白鷗大を撃破し、大会3連覇を達成した。
第1クォーター、ともに決勝の大舞台という堅さがあったのか、両チームともアウトサイドシュートの精度が低くロースコアの出だしとなる。ただ、そこから東京医療はディフェンスリバウンドからのトランジションで得点を重ね、守っても激しいプレッシャーでペイント内でもタフショットを打たせて18-6と先行すると、第2クォーターを互角の展開で乗り切り前半を13点リードで終える。
第3クォーター、白鷗は出だしに5連続得点で6点差にまで縮めるが、ここで東京医療はここで耐えて藤本愛妃のミドルシュートなどで応戦。「相手の勢いに押され足が止まってしまう嫌な時間帯でも自分たちのやるべきことにフォーカスできました。戦う姿勢であり、自分たちのやってきたことを貫けました」と恩塚享ヘッドコーチが語るパフォーマンスで51-43とリードを保った。
第4クォーターになっても一進一退の攻防が続くが、白鷗はエースの軸丸ひかるの連続得点で5点差と再び迫る。だが、東京医療は直後に岡田英里が3ポイントシュートを沈めると、さらに永田萌絵、平末明日香による連続スティールからの速攻と約1分間で怒涛の7連続得点。これで再び主導権を握った東京医療が、そのまま押し切り今年も大学女王の座を守った。
東京医療の恩塚ヘッドコーチは、「出だしからエネルギッシュに戦うことはできていましたが、その分、気負いもありました。その中でも我慢して自分たちのバスケを続けていくことで少しずつ手応えをつかめたのは素晴らしかった」と勝因を語る。
一方、白鷗の佐藤智信ヘッドコーチは、リバウンドが明暗を分けたと振り返る。「リバウンドで互角に戦えれば、第4クォーター勝負と組み立てていました。それが前半にやられて、なかなか自分たちのリズムに乗ることができなかったです」
実際、リバウンド数は東京医療の53に対して白鷗は43。特にオフェンスリバウンドで東京医療が21-14と優位に立ったのが大きかった。
永田萌絵「これまでの2回と違った安心感」
東京医療にとって大きかったのは過去2度の優勝でも主力を務めた永田、平末、岡田、藤本の先発4年生カルテットが揃って2桁得点を挙げるなど、この大一番でもしっかり役割を果たしたことだ。
最優秀選手賞に選出された永田が、「3連覇を意識しないようにしていましたが、優勝した瞬間は、これまでの2回と違った安心感が大きかった」と語ったように、それぞれが最上級生としてこれまで以上に優勝への強い思いを持って臨んだ。重圧がある中でもここ一番で攻守に渡ってビッグプレーを決めたことで、東京医療は最後までリードを守りきることができった。
恩塚ヘッドコーチは、3連覇の原動力となった彼女たちを次のように称える。「世代的にチームをリードしてくれました。入学時と今ではレベルが全く違うほどに成長しましたが、それは毎日、その時にできるベストを尽くしてきたからです。その手応えを持って今日、戦えたのはこれからの人生にとっても大きな財産になると思います」
今秋の関東大学女子バスケットボールリーグ戦を14戦全勝で制覇したのに続いてのインカレ優勝。その圧倒的な成績を残せた真髄を存分に披露した東京医療の決勝における素晴らしい戦いぶりだった。