「ロンゾのプレーに影響を与えるような場合には……」
まだNBA公式戦デビューも果たしていない時点でシグネチャーモデルのシューズ、そしてFacebook製作の冠番組を持つレイカーズのゴールデンルーキー、ロンゾ・ボールに対するマジック・ジョンソン球団社長の期待は大きい。
レイカーズを背負って立つだけの力がボールにあると判断したジョンソンは、ドラフト指名前に生え抜きポイントガードだったディアンジェロ・ラッセルをネッツに放出する大きな決断を下した。
その後、レイカーズの一員となったボールはラスベガスでのサマーリーグでチームの優勝に貢献し、MVPを獲得するなど評判通りの実力を発揮。今シーズンは開幕からの先発起用が確実視されている。トレーニングキャンプも始まり、今後はレギュラーシーズン開幕に向けチームの主力とのケミストリー構築に時間を費やしたいところなのだが、ジョンソンには一つの懸念がある。前述のリアリティショーだ。
ボール一家の日常にカメラが迫るドキュメンタリー番組なのだが、もしコート上でのプレーに影響を及ぼすとジョンソンが判断した場合、球団社長として介入する可能性があることを『ESPN』とのインタビューで語った。
リアリティショー『Ball in the Family』について聞かれたジョンソンは、「コート上でのロンゾのプレーに影響を与えたり、私が不安に思うようなことがある場合には」という条件で介入することを示唆。ただし「彼の家族は素晴らしい。父親(ラバー・ボール)との関係も良い」と付け加えており、現時点ではボール一家と良好な関係を保っていることを強調している。
たとえ父親であっても、NBAでの厳しいシーズンを迎える選手の日常に過剰に関与するのは褒められる行為ではない。ロンゾはプロとして歩み始めた。これからは自分自身、周囲の批判と戦い、コート上で結果を残さなければならない。
シーズンが開幕すれば、ボールは過酷な試合日程をこなすことだけで精一杯になる。それに、NBAではチーム内で新人がこなさなければならない仕事もある。これまで父の指導を受けてきたとしても、これからはボールを守るのも叱咤するのもレイカーズの役目になる。
しかし、もしジョンソンが強権を発動するような事態になれば、あのラバー・ボールが黙って受け入れるとは考えられない。チームと家族との関係が悪化する事態を未然に防ぐには、ボールがコート上で結果を出すしかない。