サンロッカーズ渋谷

後半の出だしを改善し、SR渋谷が圧勝

10月27日、サンロッカーズ渋谷がホームで川崎ブレイブサンダースと対戦。前日、74-81で競り負けた難敵に対し、攻守で強気のプレーを貫くことで序盤から優位に立つと、最後までリバウンド争いで主導権を握り続け91-71と圧勝した。

第1クォーター、川崎はターンオーバー奪取から8得点と昨日に続き持ち味の激しいディフェンスからリズムをつかみ22-16と先行する。だが、第2クォーターに入ると、今度はSR渋谷がターンオーバーを誘発することで守備から流れを引き寄せる。さらに石井講祐がこのクォーターで4本中3本の3ポイントシュートを成功させるなど、長距離砲が効果的に決まり、SR渋谷が10点リードと一気に試合をひっくり返した。

前日までの連敗中、SR渋谷は伊佐勉ヘッドコーチが「この2試合、第3クォーターでやられていました」と振り返るように、水曜日の宇都宮ブレックス戦は20-30、昨日の川崎戦は22-30と、連続30失点のビッグクォーターを作られたことが大きな敗因の1つとなっていた。

しかし、今日は後半開始早々にベンドラメ礼生が魅せた。まず3ポイントシュートを決めると、直後の守りで篠山竜青からスティールを奪う。これで速攻を防ごうとした篠山にアンスポーツマンファウルが吹かれた。このエースの躍動で勢いに乗ったSR渋谷は、ファウルトラブルもあってリズムを崩した川崎を圧倒。前半に続いて3ポイントシュートが火を吹き、27-18と大きく突き放した。

ベンドラメ礼生

「レオを中心にゴール下にアタックすることができました」

鬼門の第3クォーターを圧倒した結果、リードを19点にまで広げたSR渋谷は第4クォーターも川崎に反撃のきっかけを与えず、危なげない展開で、前日のリベンジを果たした。

連敗を2で止めたSR渋谷の伊佐ヘッドコーチは、「選手たちが昨日の負けからファイトしてくれた。ディフェンス、オフェンスともに前を向いてプレーして、攻めることができたのが良かったです」と総括する。

また、指揮官は、91得点と攻撃が機能した理由を「レオ(ベンドラメ)を中心に、しっかり縦を突く。ゴール下にアタックすることができました。それによって、川崎さんのプレッシャーも少しですが緩くなりました」と、振り返っている。

「映像で縦にプレーしている良い場面を見せました。逆に横を向いてプレーしていると、もっとプレッシャーを浴びる。そこで煽られてパスカットをされ、昨日はレイアップで14点も失点しました。縦にプレーすることを再確認して、選手たちがそれをやってくれました」

サンロッカーズ渋谷

佐藤コーチ「激しいコンタクトは絶対にやめない」

一方、敗れた川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、勝敗の分かれ目をこう語る。「試合を通して渋谷さんの方が、エナジーは高かったと思います。うちはいいところまでいってのターンオーバーが多かった。オフェンスが良くないので、それがディフェンスの準備に響いていつもやれていることができなかった。逆に渋谷さんに、先に準備されてタフなディフェンスを40分間続けられました」

また、川崎はこの試合でファウルトラブルに苦しめられたが、強度の高いディフェンスこそがチームの屋台骨で、そこはファウルが重なっても試合中にアジャストするものではない。佐藤ヘッドコーチは語る。

「前半、少しファウルを多く取られてしまって、そこに対してアジャストできずにフラストレーションがたまりました。我々としては、先に準備して正しいコンタクト、正しい手の使い方をする。それをずっと指導してきましたが、そこでファウルをとられたので、もう一度、正しい守備について見直してやっていきます」

そして、指揮官は激しい守備への譲れない思いをこう言い切る。「我々のやっていることは世界と戦うことを目指した世界基準。激しいコンタクトは、絶対にやめないで続けていきます」

ともに全員バスケの激しいディフェンスを持ち味とする両チームの戦いは1勝1敗の痛み分け。どちらもスタートダッシュに成功したのは勢いだけでなく、確固たる実力があるからこそということを証明した内容だった。

10月27日のB1 9試合の結果
SR渋谷91-71川崎
富山72-69宇都宮
秋田71-68滋賀
京都71-69新潟
琉球98-87三遠
千葉101-63島根
A東京99-95三河
名古屋D77-74横浜
大阪60-69北海道