ロースコアの接戦から抜け出し、盤石の試合運び
10月23日、川崎ブレイブサンダースは本拠地で三遠ネオフェニックスと対戦。第1クォーター途中に先行すると、その後は常にリードを奪う危なげない展開で94-87と逃げ切った。これで川崎は7勝1敗、逆に三遠は開幕8連敗となっている。
試合の出だしはともに外角シュートを積極的に狙うが決められず、ロースコアの競り合いに。しかし、三遠のターンオーバーが続いた隙を川崎は逃さない。第1クォーターだけでマティアス・カルファニが5スティールを記録したようにターンオーバーからの速攻で一気に10得点を連取し、23-15と先手を取る。その後、第2クォーター、第3クォーターとも川崎が主導権をキープし、リードを15点にまで広げた。
勝負の第4クォーター、三遠はこの日30得点を挙げたデビン・イーバンクスを筆頭にテンポの速い攻撃で一気に追い上げ、残り7分半には6点差にまで迫る。だが、川崎はここから青木保憲、藤井祐眞とガード陣のインサイドアタックで応戦し、点差が6から縮まらない膠着状態に。
この我慢比べで崩れたのは三遠だった。残り3分50秒、川崎はカルファニがこの試合7つ目のスティールから速攻を決め、リードを再び2桁に広げる。あとはファウルゲームに対し、藤井が確実にフリースローを沈めて同地区対決を制した。
未勝利の三遠、指揮官ロウサムは古巣対決に敗れる
三遠の指揮官ブライアン・ロウサムは、かつて選手、アシスタントコーチとして東芝に在籍していた。それだけに「1995年から選手として2年間プレーし、その後でコーチとして立っていたこのアリーナに帰ってきて多くの良い思い出が蘇った」と語るが、またしても今シーズン初勝利を逃したことで古巣凱旋の感慨に浸ることはできなかった。
「第2クォーター以降は良いゲームができましたが、第1クォーターに8個のターンオーバーをしてしまった」と敗因を語ったように、出だしの悪さが最後まで響いた。特に第1クォーター、ターンオーバーからの得点で川崎の16-0と、ミスが失点に直結したのが痛かった。
また、第4クォーターの追い上げが届かなかった要因として「オフェンスでちょっとしたミス、悪いシュートで終わる時があった。ディフェンスでも大事な時間で簡単にシュートを打たれるなどここ一番で止められなかった」と、攻守に渡って要所での遂行力を欠いたと振り返る。
「数字は素晴らしいですが、内容はイマイチ」
一方、連勝3に伸ばした川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、「連戦で疲労が溜まっている中、勝ち切れたことが大事です」と勝利への安堵はあるが、87失点を喫したことに厳しい評価を下す。
「今日のウチはディフェンスのチームではなかった。個々がハードにやろうとしている部分はありましたが、チーム全体として連動していなかった。やはり出ている5人全員でやらないと堅いディフェンスにならない。優勝するためにはここまでは難しいです」
さらに「数字に関しては9ターンオーバー、30アシスト、13スティールに4ブロックと素晴らしいですが、内容としてはイマイチ」と勝ちはしたが、歯切れは悪かった。
ただ、しっかりプレータイムをシェアできたことには手応えを得ている。この日の川崎は、欠場した辻直人を除くベンチ登録11人全員がプレー。また、林翔太郎の9分24秒を含め10人が約10分以上の出場時間だった。「もともとプレータイムはこういう配分でシェアしたい。ただ、自分の中でまだまだつかめていないところがあります。試行錯誤をしているところで、自分がもっと成長していかなければいけないです」
シーズンが進み疲労が蓄積するとともに、スカウティングの材料が増えることで相手の対策も進む。そんな中で守備の強度を保つには、プレータイムをシェアし、いかに選手をフレッシュな状態でコートに送り出せるかが重要となる。週末には難敵のサンロッカーズ渋谷戦が控えている。今日の経験を基に佐藤ヘッドコーチがどんな選手起用をしてくるのかより楽しみだ。
10月23日のB1 9試合の結果
北海道63-78A東京
秋田77-96千葉
SR渋谷81-91宇都宮
横浜91-85新潟
三河82-66富山
京都75-78島根
大阪73-79名古屋D
滋賀76-78琉球
川崎94-87三遠
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