大黒柱不在の富山に敗れ、連勝がストップ
10月16日、川崎ブレイブサンダースは富山グラウジーズを迎え撃ったホームゲームに69-73で敗れた。富山は前の試合で大黒柱ジョシュア・スミスが大ケガを負って戦線離脱、さらにジョシュ・ペッパーズも故障欠場で外国籍選手はレオ・ライオンズ1人のみ。だからこそ川崎の有利と見られていたが、富山のチーム一丸となった身体を張ったプレーにリバウンド争いで負けると、要所でのミスも響いて競り負けた。
これで今季初黒星、開幕からの連勝が4でストップしたことに川崎のキャプテン篠山竜青は、「負けたことはめちゃめちゃ悔しい。このチームのみんなが大好きで、負けることが本当に嫌です」と率直な思いを語る。
そして、敗因にターンオーバーを挙げた。この試合に限らず、ここまでの川崎はターンオーバーが多く、10月14日の新潟アルビレックスBB戦では、勝利したものの21本ものターンオーバーを犯していた。
「リードされて自分たちの流れが来ないことで、少しみんなの視線がリングから横にそれてしまい、そこからのパスミスがありました。これは次の千葉戦までに改善できるし、しないといけないです」
こう篠山はミスの原因について語り、新戦力との連携についても発展途上の面があると続ける。
「ジョーダン(ヒース)は、あれだけ背が大きいのに運動能力が高くて飛べる選手です。これまでの川崎にはあまりいないタイプで、彼へのロブ、彼がゴール下に飛び込むダイブに対して、まだペリメーターの選手のパスを出すタイミング、パスの高さがあっていない。シンプルに技術的な問題はあります。また、あれだけしっかりダイブしてくれる選手に対して、使ってあげたい気持ちが前のめりになって、冷静に判断できていない部分もあります」
高い強度を維持するために求められるタイムシェア
今シーズン、川崎は新たに就任した佐藤賢次ヘッドコーチの下、強度の高いディフェンスを40分間続けることを第一とするスタイルへと変貌を図っている。当然のようにこの戦い方はスタミナの消耗が激しく、平日開催が増えるこれからの過密スケジュールにおいて、どこまで強度を維持できるかがカギを握る。そのためには、開幕前に佐藤コーチが川崎の目指すスタイルと語っていた『12人全員でプレータイムをシェアするバスケットボール』を、どれだけ実行できるかが重要となる。
しかし、現状を見ると、今回の試合は14日の新潟戦で後半プレーしなかった辻直人が出場していない。さらに日曜、月曜の連戦からの中1日とタフな状況だったが、コートに立ったのは9人と、これまでで最もプレータイムがシェアできずに終わっている。
また、チーム1のベテランであるニック・ファジーカスが、ここまで5試合すべてで35分近く出場。指揮官がプレシーズンで嬉しい誤算と成長ぶりを称えた日本人ビッグマンの鎌田裕也の出場機会はほとんどない。
そして、明日からは9日間で5試合の過密日程がスタートする。さらに千葉ジェッツ、サンロッカーズ渋谷と走力のある外国籍選手を揃え、トランジションを得意とする難敵と4試合戦う。
だが篠山は、こういう時こそ変革の川崎を見せられる絶好の機会ととらえている。「日程を言い訳にはしたくないです。賢次さんにはハッスル全開でやって疲れたから交代すればいいと言われています。そうなるとローテーションのタイミングが早まっていく。そして、こういう日程だからこそ、12人全員で戦うことをアピールするいいチャンスと思います」
開幕節で宇都宮ブレックス相手に見せた強度の高いプレーをどこまで継続できるのか、川崎にとってシーズン序盤にして踏ん張りところを迎える。ここを乗り切れるかは、キャプテンの語るチーム全員で戦うバスケットボールをどれだけ実現できるかにかかってくる。
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