「北海道戦ではなんとか勝ちたいという思いでした」
サンロッカーズ渋谷はレバンガ北海道をホームに迎えた水曜ナイトゲームを83-76で勝利した。
この試合で注目を浴びていたのが、昨シーズンまで北海道に所属していた野口大介と関野剛平だ。
野口は移籍後初となる古巣との試合を終えて「不思議な感じがしました」と、素直な感想を口にした。コート上には、昨シーズンまでチームメートだった選手と一緒に、SR渋谷に移籍した関野もいた。そのため、「練習の紅白戦をやっているような感覚になってしまいました。でも向こうの顔を見ていると本気ですし、これはガチな試合なので本当に不思議な感じでした」と語った。
SR渋谷は開幕戦で昨シーズンに1勝もできなかった千葉ジェッツから勝利を挙げた。「開幕で2連勝できたので、チーム状況を上げながら北海道戦でもなんとか勝ちたいという思いでした。それは僕も関野も一緒で、その雰囲気がチームメートにも伝わって今日の勝ちに繋がったと思います」と、野口は開幕戦の勝利が弾みになったと明かす。
SR渋谷は第1クォーターの立ち上がりからオールコートディフェンスを徹底し、主導権を握った。だが、北海道の得点源であるマーキース・カミングスのアタックを止められず、点差を縮められる場面もあった。
それでも、この悪い流れを払拭したのが野口と関野のコンビプレーだった。関野がドライブでディフェンスを引き寄せ、コーナーに居た野口が3ポイントシュートを確実に決めた。元北海道の2人のコンビネーションから生まれたプレーに会場からは大歓声が上がった。
「全然打ち合わせはなかったんですけど、関野がドライブした瞬間に僕のマークマンがヘルプに行っていたので、これは絶対にパスが来るなと思って準備はしていました」と言う。
素晴らしい連携プレーだったが、パスを予測していた野口に対し、関野のほうは少し違っていたようだ。「彼は何も考えずに攻めて、『やばい、どうしよう』と思った時に、『あ!大介さんが空いている』ってパスをしたと言っていました(笑)。でも僕は来ると分かっていたので、それは北海道からの繋がりかなって思います」
「チーム全員で守ることが僕らのスタイル」
ディフェンスのチームと公言しているように、この試合でSR渋谷はスティール11本、ブロックショット4本を記録した。ブロックショット4本のうち2本は野口が決めたもの。「必死で僕らは守っているので誰かがカバーしてくれて、僕もそのカバーに行って、たまたま生まれたブロックショットでした」と、野口は言う。
そう謙遜する野口だが、それでもチームディフェンスに対しては手応えを感じている。「カバーを違う選手もやってくれたり、本当にチーム全員で守ることが僕らのスタイルなので。それを最後まで続けていきたいと思います」
しかし、SR渋谷は20点差までリードを広げたものの、自分たちのリズムが崩れて7点差まで追い詰められた。終盤に失速したが、野口はこの原因を「メンタル」と断定する。
「点差が20点開いて、ヘッドコーチからは、『もっと突き放せ』としきりに言われていました。でもどこかで、20点差があるという油断があったと思います。そこを相手につけ込まれてしまった部分がありました。たとえ20点差をつけても、25点、30点と、もっと離せるようにならないとダメです」
自分たちの気の緩みから相手に勢いを与えてしまったことは課題となった。それでも苦しい時間を耐え抜くことができたことは収穫でもある。
「北海道の時と変わらず3ポイントシュートは打ちながらも、ディフェンスのチームなので、しっかりディフェンスで貢献しながらやっていきたいです」と、野口は言う。新たな役割を受け入れつつ、チームとともに成長していく野口の今後の活躍にこれからも期待したい。
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