終盤にカミングスが爆発、粘る横浜を延長でかわす
レバンガ北海道はホームに横浜ビー・コルセアーズを迎えた2019-20シーズン開幕節を連勝で終え、最高のスタートを切った。7日に行われた第2戦は月曜ナイトゲームとあって、前日の5601人から2694人へと観客数を落としたが、北海きたえーるの熱気は変わらない。
第3クォーター終了時点で47-53と劣勢の北海道を、最終クォーターに立ち直らせるきっかけとなったのはブースターの声。猛烈なブーイングが横浜の選手たちのシュート精度を狂わせる。第4クォーターの横浜はフリースロー12本を投じて成功6本のみ。橋本竜馬と多嶋朝飛のツーガードが前線からプレッシャーを掛けてディフェンスからリズムをつかみ、反撃へと転じる。
初戦を落としていた横浜も簡単には引き下がらない。ジェイソン・ウォッシュバーンのインサイドは止められず、また激しい守備を徹底する橋本のディフェンスの手が田渡凌の顔面をはたいてしまい、アンスポーツマンライクファウルを取られる場面もあった。
ここで違いを見せたのは、新加入のマーキース・カミングスだった。第3クォーターまで8得点だった新たなエースは、アイソレーションから次々と強引なレイアップに持ち込み得点を量産。マーク・トラソリーニと市岡ショーンがサポートし、3番ポジションのカミングスを楽にプレーさせたのも大きい。3番ポジションでの対人ディフェンスではリーグ屈指の実力を持つアキ・チェンバースがマッチアップしてもカミングスは止められなかった。
市岡がファウルアウトとなった後もファイ・パプ月瑠がその役割を引き継ぎ、カミングスをサポート。残り30秒を切って4点を追う展開で、北海道は3度あったポゼッションすべてをカミングスに委ね、そのすべてを得点に繋げた。終了のブザーとともにカミングスが強引すぎるジャンプシュートをねじ込み70-70、試合は延長戦へ。
気迫を見せた橋本竜馬「信頼してパスを出し続けた」
第4クォーターの最後にトラソリーニがファウルアウトとなり、ゴール下の高さの面では圧倒的に不利となったが、代わって入った桜井良太が身体を張ってリバウンドでも引けをとらない。こうしてオフェンスに残る力を注ぐカミングスは誰にも止められなかった。結局、第4クォーターに12点、延長の5分ではファウルゲームになるまでのチームの9得点すべてを稼ぎ出したカミングスの大活躍により、北海道が81-75で逆転勝利を飾っている。
内海知秀ヘッドコーチは「キース選手(カミングス)が魂のこもったプレーでチームを救い、橋本選手が気迫のこもったプレッシャーディフェンスを前線から行ったことで、周りの選手にも波及してチームを大きく変えてくれた」と、カミングスはもちろん橋本の気迫を称えた。
その橋本は「こういった展開になることはある程度予測できたし、終盤の勝負だと思っていた」と語る。「キース選手のところが優位だと感じていたので、キース選手で最後までオフェンスを構築することは決めていましたし、結果を出してくれると信じていました。その意思を感じてくれて、最後までファイトしてくれたキース選手は本当に疲れたと思いますが、こういう意思疎通を経ていいチームができていくと思うので、信頼してパスを出し続けて良かったと思います」
スタッツでは29得点8リバウンド4アシストのカミングスが突出しているが、これは紛れもなくチーム一丸でつかみとった勝利。今シーズン限りでの現役引退を表明した折茂武彦に2試合ともプレータイムがなかったのは残念だが、これまで開幕戦に勝ったことがなかった北海道にすれば、開幕連勝は最高のスタートとなった。
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