「チームメートも、コーチも、街も自分に良くしてくれる」
新シーズンの台風の目として注目を集めるセブンティシクサーズの目玉は、やはり2017年ドラフト全体1位指名選手のマーケル・フルツ、ジョエル・エンビード、ダリオ・サリッチ、そして2016年全体1位指名選手のベン・シモンズから成る若手ユニット『FEDS』だろう。
その脇を固めるべく、JJ・レディックら経験豊富なベテランの獲得にも成功した今、いよいよシクサーズの反撃開始というムードになっているが、ただ一人『蚊帳の外』という印象の選手がいる。2015年のドラフト全体3位で指名されたジャリル・オカフォーだ。
オカフォーは、昨シーズン途中までシクサーズに所属したナーレンズ・ノエルと出場機会を争う立場に置かれ、現在もトレードの噂が根強く残っている。そのオカフォーにメディアが直撃。ずばり、トレードの噂について話を聞いた。
新天地での再スタートについて聞かれたオカフォーは、「トレードの噂は耳にしているよ。たしかに、現状よりは良いかもしれないと思ったことはある」と答えたが、こう続けている。「でもNBAではシクサーズのユニフォームしか着ていない。街の皆も、チームメートも、コーチも自分に良くしてくれる。この上なく幸せだよ」
トレードの憶測に関する返答としては満点に近いが、オカフォーの胸中は複雑だろう。
エンビードの台頭、それからヒザのケガの影響も重なり、昨シーズンは出場試合数(50)、出場時間(22.7分)、平均得点(11.8)、平均リバウンド(4.8)も1年目から数字を落とした。今後もトレードの噂は消えないかもしれないが、ポジションを得るためには秋のトレーニングキャンプに向けてコンディションを上げ、プレシーズンゲームで指揮官ブレット・ブラウンの前でアピールするしかない。
いずれにしても、その資質は本物。精神的に成熟し、その才能を安定して発揮できるようになれば、シクサーズにとっても大きな武器になるはずだ。