「100%を超える状態になった時に復帰してもらいたい」
この夏にフリーエージェントとなり、ネッツへの移籍を決めたカイリー・アービング。幼い頃にネッツがNBAファイナルで戦う姿を見て、ネッツの一員としてプレーしたいという夢を持ち、それをかなえた。
アービングは、メディアデイでの質疑で、同じタイミングで加入を決めたケビン・デュラント、ディアンドレ・ジョーダンと話し合ったことを明かした。
「たしか6月中旬か下旬くらいだったと思う」と、移籍について考え始めた時期について言及すると、チームメートになったデュラント、ジョーダンとは、フリーエージェント選手との交渉が解禁された日の早朝に、お互いの胸の内について話し合ったという。
「交渉が解禁された日の早朝に話したんだ。NBAのルールが分からなかったから、実現させる方法を知らなかったけれど、お互いのことを気にかけたいと思った。今後4年でどういうチームを築き上げられるかを考えて、一緒にキャリアを終えたいと思ったんだ。ブルックリンは、今のチームを作るために身を粉にしてやってきて、ここよりも良いチームはないと思ったからね」
「例えば、ジョー・ハリスの育成もそう。彼はドラフトでキャバリアーズから指名されて、僕も彼が特別な存在になれることを分かっていた。ただ、当時のチームは優勝を目指していた時期で、ジョーにはチャンスが与えられなかった。でも、その時はそれが現実だったんだ。それで、ブルックリンが彼にチャンスを与えた。こういう話を含めて、ケビンとディアンドレとは細かなことについても話し合ったりしてね。その結果、一緒にやりたいということになったんだ」
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— Brooklyn Nets (@BrooklynNets) September 27, 2019
チームメートになったデュラントは、2019年のNBAファイナルで負った右足のアキレス腱断裂からの復帰に向けたリハビリを続けているため、2019-20シーズンの全休が決まっている。今後デュラントの復帰時期について事あるごとに質問されると予想される中、アービングは「彼を100%サポートする」とコメント。少なくともチーム内から復帰を急がす圧がかかることはないと約束した上で、キャリアを左右しかねない重傷に繋がった顛末をやんわりと批判した。
「チームから彼の復帰時期について何かを言うことはない。自分もケガをした時に、周りから『もうすぐ復帰するの?』と聞かれ続けたことがある。自分が復帰すれば優勝を狙えるとか、自分がプレーすれば今後どうなるとか、そういう話をね」
「ケビンがケガをした原因は、多くの人にあったと思う。それまで1ヶ月以上も休んでいた彼の準備が整っていなかったことは、みんなが知っていたはずだ。それなのに、売り上げを伸ばすために結論が出されて、彼という人間のことを考えずに復帰させてしまったんだ。自分は、そういうことが起こらないように彼を守る。誰にも彼の復帰を急がせたりしない」
「彼には彼のままでいてもらいたいし、僕たちは問題ない。チームとしての期待は持っているけれど、僕たちは辛抱強く待てる。ケビンに関しては、特に辛抱強くならないといけない。同じようなことは、誰にも起こってもらいたくはないからね。ファイナルのような舞台で、復帰時期について聞かれるような状況にはしたくない。ケビンには、100%を超える状態になった時に復帰してもらいたい」
今シーズンのネッツは東カンファレンスの上位候補だが、大事なのはアービングとジョーダンを加えたケミストリーを構築し、引き続き若手の成長を促進させ、1年後にデュラントが復帰する新チームの土台を築くこと。早くも2020-21シーズンの優勝候補と見られているネッツは、アービングのコメント通り、長期的な視点でチームを作っていく。