エットレ・メッシーナ

イタリアのオリンピア・ミラノのヘッドコーチに就任

2014年から2018-19シーズンまでスパーズのアシスタントコーチを務めたエットレ・メッシーナは、今年の夏にイタリアのオリンピア・ミラノのヘッドコーチ並びにバスケットボール運営部代表に就任した。

名将グレッグ・ポポビッチの右腕としてスパーズを支えてきたメッシーナは、これまでに4度ユーロリーグ優勝を果たし、イタリア代表の指揮官も務めるなど、ヘッドコーチとしての実績も豊富な指導者だ。CSKAモスクワ以来5年ぶりに自分のチームを持つことになった経緯を、『NBA Argentina』に語った。

ミラノのオーナーはジョルジオ・アルマーニ。ファッション界の重鎮に口説かれたことが大きかったとメッシーナは言う。

「ミスター・ジョルジオ・アルマーニからオファーをいただいてね。彼はファッション分野で世界でも最高の結果を残した人物。その彼が、ヘッドコーチ、それから代表としてクラブを率いるチャンスを与えてくれた。オリンピア・ミラノという重要なクラブにかかわるスタッフ、選手、マネージャー、医師も私が選んで構わないという条件でね」

「私が選ぶコーチングスタッフでチームを組織できるという点を気に入って、引き受けることにしたよ。プレッシャーを求めていたわけではないが、責任ある立場に就いて仕事がしたかった。自分のスタッフとともに、成功を収めるという責任を背負いたかったんだ」

アルマーニからオファーを受けたメッシーナは、スパーズでの上司だったポポビッチに相談した。ポポビッチはメッシーナにとっても恩人の一人で、退団は簡単な決断ではなかったという。

「私にすべてを与えてくれた球団を離れるのは簡単ではなかったよ。スパーズのスタッフに説明するのも簡単ではなかったし、コーチ・ポップは、私にとって上司であり、人生において大切な人物でもあり、大事な友人でもある。だからとても尊敬しているんだ。彼はすべてを把握していて、今回のことも彼と2人で相談した上で決めたようなものだよ」

優秀な指導者の流出は、ポポビッチとスパーズにとっては痛手でしかない。しかし人格者としても知られるポポビッチは、メッシーナが勝ち取ったチャンスを尊重し、快く送り出した。

アルマーニの期待に応えられるかどうか、久々にヘッドコーチとしてチームを率いるメッシーナの腕の見せどころだ。