「これがバスケの楽しさ、緊張感のある中でやれた」
マカオで開催されるFIBA公認大会『テリフィック12』がスタート。9月18日、Bリーグ勢の一番手として登場した宇都宮ブレックスは、最後の最後まで分からない激戦の末に全州KCCイージスに競り負けた。
公式戦ではないことが関係したのか、立ち上がりのインテンシティが足りずに相手に先行されるも、ライアン・ロシターがアグレッシブなアタックを繰り返すうちにチームの闘志に火が付いた。また、フィジカルの強さを前面に押し出す韓国のチームらしく、オフボールで身体をガンガンぶつけて来たことに対して、各選手がひるむのではなく同じ激しさでやり返すうちに、チーム全体が激しく戦ういつものスタイルを取り戻す。
遠藤祐亮は相手選手とやりあい、ゲームが止まった際に相手選手とともに審判に呼ばれて注意を受ける場面も。それでも本人は試合後、「海外とやるといつもそうなります。これがバスケの楽しさでもあります。接触の多いスポーツだし、緊張感のある中でやれました」と語る。
終盤に入って突然の失速「気の緩みがありました」
鵤誠司がケガで帯同せず、田臥勇太も欠場。ポイントガードは渡邉裕規、田原隆徳、そして時間によっては比江島慎も入って3人で回すことに。第2クォーター途中から、この比江島をポイントガードにした山崎稜、遠藤、ジェフ・ギブス、ロシターのラインナップがハマる。ここで一気に逆転まで持っていき、40-37で前半を折り返した。
後半も宇都宮が主導権を握ったまま試合が進む。第4クォーターには再び比江島のポイントガード起用。今度は山崎、橋本晃佑、竹内公輔、ギブスのラインナップでイージスを突き放す。残り5分半で9点差、相手をノックアウト寸前のところまで追いつめた。
ところが、ここで「気の緩みがありました」と遠藤が振り返るように宇都宮は失速する。「急にスペーシングも悪くなったし、ディフェンスも強度が下がり、やりたいことをやられました」。最後は両チームとも全力のディフェンス合戦で容易に得点が入らない。
残り15秒でギブスがフリースロー2本を決めて逆転するも、最後の守りでファウルをしてしまい、フリースローで再び逆転を許す。残り時間のない中で、この日30得点のロシターがアタックするも決められず。宇都宮は78-79で初戦を落とした。
「激しく守られる中でどう自分が点を取るか」
明日の浙江ライオンズ戦が負けられない試合になったが、『結果よりも内容』がこの大会に求められるところでもある。遠藤は言う。「ディフェンスのミスもあったし、今シーズンはスペーシングに注力しているんですけど、それもできなかった。自分たちの形があまり出せなかったです。ただ、開幕前に気が付けたのは良かったです。ここからまた積み上げていきます」
個人としても、海外のチームとバチバチやり合う中で結果を出したいと遠藤は言う。「あれだけやってもファウルを取られないことが多くて、そこは韓国のチームは上手いと思います。自分としてはフィジカルに当たられる中でも得点を取っていきたいです。日本でも昨シーズンよりマークが厳しくなると思うので、激しく守られる中でどう自分が点を取るか、またファウルをせずにどれだけ激しくディフェンスするか。そこを自分としてはやっていきたいです」
一敗を喫したことで、もう緩みは見せないはず。この大会を宇都宮がどう戦い、そこから何を見いだしてチームの糧としていくのか。まずは明日の第2戦でチームの成長を見せてもらいたい。