取材・写真=古後登志夫

昨年はインターハイもウインターカップも出場を逃した福岡大学附属若葉だが、悔しさをバネにチーム一丸となって成長し、見事インターハイの舞台に返り咲くことになった。先月行われた全九州大会でも強さを見せ付けて優勝。だが選手たちは全国の強豪校との力の差を認識しており、チャレンジャーとして大会に臨む。チームの要となる2人、三輪眞子と嘉数唯に話を聞いた。

「声を出して練習の雰囲気を作れるようになってきた」

──インターハイ直前ですが、チームの雰囲気はどうですか?

三輪 今は学校の体育館が工事で使えないんですけど、その中でみんなでちょっとでもプラスにしようと言って、公園で走ったり中学の体育館に入れてもらったりしています。大変ですが、そこを逆に「プラスに変えてやろう」ってみんなで言って、元気を出してやっています。

嘉数 最近は自分たちから声を出して練習の雰囲気を作れるようになってきました。だからすごく元気になっていると思います。

三輪 練習時間が長かったんですけど、体育館が使えなくなって短くなりました。それでも練習はキツいです(笑)。最近は特にそうです。九州大会でも後半に体力負けしているところがあったので、インターハイは連戦が続くこともあって体力を付けるために走り込んでいます。

──今年のチームはどういうチームですか?

嘉数 試合に絡んでくるのが先発の5人に限らず、ベンチメンバーになっても力が衰えずに全員で戦えるところが良いところだと思います。

──三輪選手はキャプテンとして、どんな形でチームを引っ張っていますか?

三輪 自分はまだ全然頼りないキャプテンだと思うので(笑)。でもみんな試合中に「ほら、頑張ろう」って声を出してくれるので、そこは自分が助けてもらっているところです。自分も頑張らなきゃって思わせてくれるようなチームメートがいるので、自分も頑張れます。

「緊張とワクワクなら、ワクワクがちょっと勝ってる」

──去年はインターハイ出場を逃しました。その悔しさは力になりましたか?

三輪 はい、去年は本当に悔しかったです。自分たちの甘さや弱さで負けました。やっているつもり、できているつもりでも、実際はそうじゃないことがたくさんあったと思います。チームで「負けたくない」と話して、全員でもう一回見直してやろうとなって。フットワークとか基礎から見直そうと決めて、今までずっと頑張ってきました。

嘉数 インターハイ出場を決めた時は去年の悔しさを晴らせたということで、決まった瞬間にみんな泣きました。とにかくうれしかったです。

──全国の舞台でやれる自信はありますか?

三輪 緊張はありますけど、全国の相手と対戦できるのは楽しみです。緊張とワクワクなら、ワクワクのほうがちょっと勝ってる感じです。

嘉数 私は緊張が勝ってます(笑)。

三輪 やはり九州大会とは別物です。九州大会前に遠征で桜花と昭和と対戦して思い知らされました。自分たちは県や九州だとまだ大きいほうですが、全国に出たら小さいし当たりも弱いから。九州で優勝したからと言って自分たちは強くないです。先生にも「お前らが強いんじゃなくて、周りのレベルがまだ高くないからかろうじて勝っている」と言われました。

──遠征で強豪校と対戦して、どこが一番強かったですか?

三輪 薫英(大阪薫英)に一番ボコられたね。

嘉数 うん。でも全国で勝ちたいという目標ができました。

「今回のインターハイでは自分が戦力に」

──最後の質問です。インターハイに向けた意気込みを教えてください。

三輪 自分個人でいえば、ディフェンスが取り柄だと思っているので、誰よりもディフェンスをやろうと思います。私は1年生の時にコートに立たせてもらっていたんですけど、それは先輩たちに助けてもらったり、引っ張ってもらっている部分がありました。今度は自分がチームを引っ張っていけるように頑張りたいです。私は能力が全くないけど、声を出したり気持ちの部分で引っ張れるように、インターハイで頑張ってきます。

嘉数 自分は去年チームに貢献できたかと言ったらできていないし、1~2年生の時には周りのチームメートに勝たせてもらっていました。今回のインターハイではコートの中で仕事をして、自分が戦力になろうと思います。周りのレベルが高いのでチャレンジャーとして頑張っていきたいです。