田中大貴

「全員でボールを動かしてオフェンスを組み立てる」

バスケワールドカップに出場している日本代表は、今日から順位決定戦を戦う。そんな中、エースの八村塁に加え、篠山竜青も負傷により離脱。これにより、ポイントカードにおいては田中大貴の担う役割が必然的に大きくなることが予想される。

中1日での試合が続く過密日程を10人でこなすため、これまで以上にタフな戦いとなる。それでもニュージーランド戦を控えた前日練習を終えた田中は「人数も少ないですけど、ここでもう一回、自分たちで奮い立たせて前に向かって進んでいく。個人個人がやるべきことをしっかりやらないといけない」と気合を入れ直す。

ゲームコントロールを担う司令塔として、オフェンスのファーストオプションである八村が不在となったことで、より多くの選手がボールに絡んでいくことを重視する必要もある。

「ヘッドコーチからも今日の練習の時に話がありましたが、自分も塁にボールを預けることでちょっと動きが止まってしまう時間があったと思います。そうではなく、もっと全員でボールを動かしてオフェンスを組み立てるということを意識して戦う2試合にしないといけないです」

今大会を見ても、傑出した個を有していても基本的にはボールをシェアしてバランス良く攻めるチームが結果を出している。だからこそ、日本代表も今大会のラスト2試合を東京オリンピックへと繋げるものとするには、個の打開力だけに依存しないチームオフェンスを展開することが一つの大きなテーマとなる。

田中大貴

篠山の離脱で、ゲームを作る役割は田中に

そして田中は「塁がいる時ももう少しそういうオフェンスをしたかったという話はありました」と続け、残り2試合で5人全員が参加するオフェンスの遂行を重視していく。「みんなが動いてボールに絡んで良いオフェンスをしないといけないですし、それを明日の試合でどれだけできるか、またそこもチャレンジだと思います」

本日の相手ニュージーランドとは、8月の国際強化試合で2試合戦ったのに続く対戦となる。田中はこう語る。「前の試合でギリシャ相手に97点を取っていますし、自分たちとのエキシビションマッチではどちらの試合も90点ぐらい取られました。40分間走るチームで、ボンボンとシュートを打ってきて高確率で決める。オフェンス能力が高いチームだと思います」

相手の武器であり、日本の課題である3ポイントシュートを多く打たせないようにするためには、守備でしっかり戻ることに加え、オフェンスにおいてもタフショットではなくチームで崩して良いシュートチャンスを作ることが大切だ。そのためには、司令塔の田中がどれだけゲームをコントロールできるかが重要となる。