トラブル続きのグリズリーズを離れ「ゼロから再出発」

トレイルブレイザーズの一員となったジャ・モラントが、シーズン最初の会見に臨んだ。「ブレイザーズのユニフォームを着てメディアデーを迎えて、いよいよ始まるという実感がある」と彼は言う。

すでにポートランドに新しい住居を構え、「外を散策する時間はまだあまり取れていないけど、ウォーターフロントの家でくつろぎながら、この気候を楽しんでいるよ」と、新生活は順調にスタートしているようだ。

チームはこれから本格始動となるが、すでにチームメートが集まってのワークアウトには参加している。「実は合流初日、僕はみんなに合わせようとして探り探り慎重にやっていたんだけど、それが気に食わなかったらしい(笑)。すぐにデイム(デイミアン・リラード)から『遠慮せずにいつも通りやってくれ』と指摘されたよ」と語る。

2019年のNBAドラフト全体2位でグリズリーズに指名され、1年目から絶対的な主力としてチームを引っ張り、新たな『NBAの顔』と期待されたモラントだが、銃にまつわるトラブルを何度も起こし、そこにケガも重なってキャリアは急降下となった。悪いイメージが付いて回るグリズリーズを離れるという意味での『再出発』の必要性を、モラントは素直に認めた。

「どこにいても再出発はできるから、絶対に必要だったとは言わない。でも個人的には、ここ数年間の出来事を踏まえると、それが必要だったと感じている」とモラントは落ち着いた口調で話す。「何年も前に起きた出来事すべてが、ずっと僕につきまとっていた。胸にメンフィスの文字がある限りは、みんなそれを引き合いに出し続けていた。ここにいる皆さんの中にも、過去の出来事から僕を判断しようとする人がいるだろう。でも、今の僕はゼロから再出発する。気持ちを切り替えて、純粋な気持ちでバスケがしたかったんだ」

ドリュー・ホリデーとリラード、生え抜きのスクート・ヘンダーソンとガードが多く、エースのデニ・アブディヤもオンボールで価値を発揮するタイプ。それぞれの個性を消さずにどう共存させるかが難しいのは間違いないが、モラントは「アンセルフィッシュな選手ばかりだから問題にはならないよ。他の多くのチームが『オンボールで勝負できる選手がそれだけいれば良いのに』とうらやましがっていると思う」と気にしていない。

「常に学び、チームを引っ張ろうとする意味では変わらないよ。どれだけ経験を積んでも学びは必要だし、このチームにはデイムやドリューがいる。ガードとしての経験が豊富な彼らにはたくさん質問して、その知恵を借りようと思っている」

「僕だって初めてポイントガードとしてプレーしたのは高校3年生の時だ。大学の1年目もオフボールでプレーしていた」とモラントは言い、「僕にとって重要なのは勝つことであり、そのためならどんな役割も受け入れる。スタメンだろうとベンチからだろうと、やるべきことは変わらない。僕は自分の役割が何であれ全く問題ないよ」と、起用法も気にしないと言う。

そんな彼が新天地で掲げた目標は「82試合出場」で、それはチームメートにすでに宣言してあるという。直近の3シーズンで9試合、50試合、20試合にしか出場していない彼にとっては大きな挑戦となるが、新たなスタートを切る今の彼は、何だって可能だという新鮮なモチベーションに満ちている。