「勝つか負けるかは分からないけど、すべてを捧げる」
ステフィン・カリーがウォリアーズと2年1億1600万ドル(約170億円)の契約延長で合意した。カリーが最大で得られる契約は1億3600万ドル(約200億円)だったが、ウォリアーズが『勝てる戦力』を整えるために割引に応じた形だ。
今シーズンは年俸6260万ドル(約94億円)の現行契約が残り、新契約は2027-28シーズンから発効となる。2年目はプレーヤーオプションとなっているが、これを全うすればカリーのNBAキャリアは20年となり、NBAの選手として史上初めて通算年俸が6億ドル(約900億円)を超える選手になると報じられている。
契約延長が決まるまでに時間はかかったが、「キャリアをウォリアーズで終える」というカリーの意思が揺らぐことはなかった。そしてウォリアーズも、『王朝』を支える中心選手であるカリーの望みはすべて受け入れるつもりだった。
もっとも、今回の契約はこれまでとは意味合いが異なる。昨シーズンのカリーは膝の故障で長期離脱をし、43試合の出場に留まった。オーバーワークによって膝の靭帯が炎症を起こすランナー膝は、長年に渡る酷使が痛みを引き起こす慢性的なケガであり、カリー自身は「対処法は分かった」と言うが、今後はこれまでのような無理は禁物だろう。本調子であれば試合を決める影響力は健在であっても、その本調子を保つことが過去とは比較にならないほど難しくなっている。
チームは37勝しか挙げられず、プレーイン・トーナメントで敗退。膝前十字靭帯断裂からの復帰を目指すジミー・バトラーは新シーズン開幕からしばらくはプレーできず、ウォリアーズが優勝争いに舞い戻るには課題が山積みだ。
昨シーズンが終わろうとする瞬間、スティーブ・カーはカリーとドレイモンド・グリーンを呼び集めた。カーはチームを離れる可能性があり、『王朝』を築いた3人の最後の瞬間を噛み締めているようだった。あの時、カリーはこう語っている。「シーズンを引き伸ばすために目の前の瞬間に集中していて、ふと顔を上げたら時間が尽きていた。その瞬間を彼が大切に思ってくれたことに感謝している。これが終わりを意味するのかどうかは分からないけど、僕らはあの瞬間にお互いを称え合わなければいけなかった」
それでも、それぞれが熟慮を重ねた上で、3人の挑戦は継続されることになった。率直に言えば、カリーとウォリアーズを取り巻く環境はゆっくりと、そして着実に悪くなっている。それでもカリーの考え方はシンプルだ。
「勝利の歓喜と敗北の失意、その両方がバスケットボールだし、スポーツの醍醐味だ。勝つか負けるかは分からないけど、持てるすべてを捧げる。まだ戦う理由は残っている。何かを成し遂げたいし、その一部になりたい」
