22分半の出場で、昨シーズンはなかった2桁得点の活躍
9月26日、宇都宮ブレックスは横浜ビー・コルセアーズとの開幕戦を88-78で制した。
宇都宮は立ち上がりから激しい守備で横浜BCにタフショットを続けて打たせる。そしてリバウンドを確実に取ると、攻守の素早い切り替えからイージーシュートを次々と決めて13-2と先制パンチをくらわす。しかし、カイル・リチャードソンを投入し、マイク・コッツアーとの2ビッグでゴール下の守備を分厚くした横浜BCの反撃を許し、第1クォーターを同点で終えた。
それでも、第2クォーターに入ると宇都宮は竹内公輔、遠藤祐亮、鵤誠司のベテラン陣を軸にした堅いディフェンスで悪い流れを断ち切った。そして、このクォーターをわずか8失点に抑えると、バランスの良いオフェンスも展開し15点の大量リードを奪って試合を折り返した。後半になっても宇都宮の勢いは止まらず、第3クォーター序盤にリードを20点にまで広げる。終盤に横浜BCの猛攻をくらうが、常に2桁リードをキープする危なげない試合運びで逃げ切った。
この日の宇都宮は10選手が10分以上、さらに市岡ショーンが8分8秒とタイムシェアを徹底することで最後まで高い強度をキープ。その中で竹内公輔は持ち味の手堅い守備に加え、22分35秒のプレータイムで12得点と、攻守にわたる活躍を見せ勝利に大きく貢献した。
41歳と百戦錬磨のベテランである竹内をもってしても、シーズン開幕戦は「キャリア20年目ですが、未だにちょっとフワフワします。だから今日は『シーズン20試合目くらいの気持ちで行こう』と思いながら会場に来ました」と、いつもとは違う感覚だったようだ。その中での白星スタートに「少し緊張していたところもあるので難しい部分もありましたけど、勝ててホッとしています」と安堵の表情を見せた。
そして、昨シーズンは一度もなかった2桁得点をいきなりマークした自身のプレーについて、「得点を取れたのはよかったと思いますが、何よりも(外国籍起用の)ルールが大きく変わった中で、控えの日本ビッグマンとして大きな役割を与えてもらいました。その期待に応えられたことが一番よかったです」と手応えを語る。
竹内も言及したように今シーズンから外国籍はオン・ザ・コートフリーとなり、ベンチ入り3名を同時起用できるようになった。これによって日本人選手のプレータイム確保は以前より厳しくなる。特に日本人ビッグマンは大きな影響を受けると思われた中、竹内は試合の半分以上でコートに立った。外国籍の1人、オーティス・フレイジャーがコンディション不良で欠場した影響もあっただろうが、宇都宮は前半から外国籍はガードのトレイ・ケルのみで、インサイドを竹内と市岡が務めるオン・ザ・コート1や全員が日本人の布陣も使っていた。ウォルター・デ・ラファエレヘッドコーチの決断が正しかったことは、勝利という結果が何よりも示している。

「こんなに出られるとは正直思っていなかった」
竹内はこの起用法について「オーティスが出られない影響もありますけど、ウォルターコーチは日本人選手をちゃんと信頼し、年齢も関係なく起用してくれます。ウチのやりたいバスケがトランジションの速いスタイルで、1人が長時間プレーするのは難しい部分もあると思いますが、こんなに出られるとは正直思っていなかったです」と率直な気持ちを明かす。
今シーズンがBリーグ1年目となるイタリア出身のデ・ラファエレヘッドコーチは、「日本人、外国籍かどうかは正直に言って全く気にしていないです。ここ一番の勝負どころで活躍してくれる優秀な選手がいることは分かっています。ただ、日本人選手たちだけで問題がなければ、そのまま起用を続けていくだけです。中心選手だから使わないといけない、といった理由で選手交代を行うことは絶対にないです」と、どんな選手も特別扱いすることはないと語った。
この指揮官の哲学は、エースである比江島慎の起用法に早速あらわれた。この日の比江島はファウルトラブルで前半を無得点で終えると、後半の最初はベンチスタートとなり、出場時間も20分以下に留まった。
今回の采配が示すように、調子の良い選手が重宝されるようになった。固定化しつつあった起用法への変化に、竹内も大きな刺激を受けている。「まだ1試合だけですけど、この先楽しみな部分があります。昨シーズンは繋ぎの役割で2、3分出て交代みたいな繋ぎの役割だったのに、長い時間使ってくれたコーチには感謝しています。これを1試合で終わらせないようにしたいです。今は残り59試合がどうなるのかワクワク感がすごくあります」
竹内の感じたワクワク感は、この試合を見たファンも感じたはずだ。過去の実績を気にしないデ・ラファエレ新ヘッドコーチの下、1試合を終えただけとはいえ、宇都宮に生まれた起用法の変化は新たな刺激をもたらす。そのポシティブな効果は、早くも41歳の大ベテランに生まれている。
