レイカーズのオファーを断る「リスペクトを欠く」

マーカス・スマートは今オフ、2年1240万ドル(約19億円)でロケッツと契約した。この時、地元紙『Houston Chronicle』の取材に対し、スマートはレイカーズからのより好条件なオファーを断ったことを明かしている。「僕の力を試しておいて、それに見合った契約を出そうとはしなかった。僕より悪いプレーをした選手が受けたオファーを見れば、それはリスペクトを欠くと感じるよ」

スマートは32歳になり、ケガで本領を発揮できない時期があったことで、昨シーズンは2年1000万ドル(約12億円)の契約でレイカーズに加わった。レギュラーシーズン62試合に出場し、9.3得点、3.0アシストを記録。プレーオフでは10試合すべてで先発を務め、12.9得点、5.1アシストと調子を上げた。こうした復活のパフォーマンスがあっても、レイカーズはレブロン・ジェームズ退団で生まれた資金を若手のフリーエージェント市場に注ぎ込んだ。この動きにスマートは反発し、ロケッツを新天地に選んだ。

ロケッツを選んだ理由は競争力があることに加え、テキサスが地元であること、指揮官イメイ・ユドカとセルティックス時代に一緒に戦った縁があることだ。「選手をおだてて調子の良いことを言うタイプじゃない。昔はよく怒鳴られたけど、僕は挑戦を好むから、彼のやり方は好きだった」とスマートはユドカを語る。

スマートがロケッツにもたらすのは『経験』だ。昨シーズンのロケッツは、戦力が十分だったにもかかわらずプレーオフのファーストラウンドで敗退。若手中心のチームには修羅場をくぐり抜けた経験が足りず、勝負どころで精神的な強さを発揮できなかった。

「若い選手の多くはまだ経験が浅く、ペースが落ちたり疲労が溜まったりした時の対処が分からないものだ。そんな時、コート上に『もう一つの声』があれば窮地で踏ん張ることができる。大事なのは簡単に勝てるとは思わないマインドを持つこと。美しい虹を見るには、その前の嵐を乗り越えなきゃいけない」

先発ポイントガードを務めるのはフレッド・バンブリートだろうが、彼は膝の大ケガで昨シーズンを全休しており、完全復活は近いが過度な酷使は禁物だ。そういう意味でもスマートの役割は大きい。「フレッドは100%ならすごい仕事ができる。80%や90%でも十分良いプレーはできるだろうけど、支えがあったほうが良いだろう。彼が完璧なコンディションを取り戻すため、僕が負担を軽減させられるはずだ」

スマートが対戦相手として見ていたロケッツの印象は「ヤバいチーム」で、そこに加わるにあたり「チームが必要とするならどんな役割でもこなすよ」と言う。

「これまでこのチームを支えてきた選手たちがいるから、まずは彼らに認めてもらわなきゃいけない。敵として戦ってきたチームに加わり、お互いを理解し合うのは特別なプロセスだ。チームが勝つために全員をサポートする。それが僕の役割だと思っている」