「オフェンスでは互いに自己犠牲を持つことが必要」

群馬クレインサンダーズは9月9日と10日にフィリピンで『B.LEAGUE MANILA GAMES 2026』を戦い、レバンガ北海道との第1戦を98-81、第2戦を101-91で勝利した。

プレシーズンマッチはコンディション調整などを理由にメンバーが揃わないことが多いが、この試合では辻直人と鶴巻啓太を除く全選手がプレーし、レギュラーシーズンさながらの熱気が渦巻いた。群馬の藤井祐眞は第1戦での17点差の快勝にも満足する素振りを見せず、課題に目を向けた。「オフェンスリバウンドで負けてしまいました(群馬は10本、北海道は16本)。もう少し減らすことができれば、そこからの失点が防げました。トランジションディフェンスとリバウンドが僕らの課題で、そこを改善していけば80点以内に抑えることができると思います」

第2戦は延長にもつれたが、スタンリー・ジョンソンとトレイ・ジョーンズがファウルアウトとなる中、藤井がベンチから18得点を挙げる活躍を見せ接戦をモノにした。結果的に目標とする失点数はクリアできなかったが、課題に挙げたリバウンドは44-41と上回った。

今シーズンの群馬はともに208cmのケリー・ブラックシアー・ジュニアとエージェー・エドゥが最も身長が高く、次に高いのは201cmの谷口大智とサイズが大きいチームではない。外国籍ビッグマンがリバウンドランキングの上位を占める中、ブラックシアー・ジュニアの昨シーズンのリバウンド数は平均7.2本と決して多いほうではない。また、チーム全体でも平均2桁リバウンドを超えた選手はおらず、今シーズンは全員でリバウンドに向かう必要がある。

ただ、長崎ヴェルカで優勝に貢献したゴー・トゥ・ガイのスタンリー・ジョンソンを獲得し、トレイ・ジョーンズとともに強力なウイングの形成に成功。オフェンスレーティング(100ポゼッションでの平均得点)でリーグトップの数値を打ち出しながら、1試合の平均ポゼッションは最下位という弱点の改善を狙う。

藤井もジョンソンの加入による変化を感じている。「スタンリーが来て爆発力は去年以上になりました。スタンリーのトランジションでのアタックは大きな武器ですし、それによって周りが生かされてワイドオープンでシュートを打つことができます。(ジョンソンは)群馬のバスケを吸収しようとしていますし、互いに自己犠牲を持つことが必要で、新加入の彼がこれからもっとみんなの特性を理解すれば良い方向に進むと思います」

そして群馬は堅守のチームとしても知られ、昨シーズンの平均失点はリーグ最少の73.0だ。だからこそ、藤井が言う「80点以内」の失点は越えてはいけない数字なのだ。「これまでと変わらずに堅いディフェンスを目指します。相手をハーフコートオフェンスに仕向けて、しっかりと守り切る。今シーズンはペイントエリアのシュートを抑えることや、チェンジングディフェンスも織り交ぜて相手を混乱させることを狙っていきたいです」

34歳になっても衰えない豊富な運動量と、高い得点能力が武器の藤井だが、彼のマインドはオフェンスではなくディフェンスに重きを置いている。堅守に磨きをかけ、ポゼッションバトルでも昨シーズン以上の結果を残すことができれば、自ずと優勝の可能性は近づく。