
「トレーニングをしっかりと積めた自信がある中での今日の試合でした」
『FIBA女子ワールドカップ2026』で日本代表は、グループリーグ初戦でマリと対戦。102-97と壮絶な撃ち合いになった試合を制した。
日本は序盤からWNBAプレーヤーのシカ・コネを軸にしたマリのインサイドアタックを止めることができず、前半だけで51失点を喫した。ディフェンスが機能せず、後半に入っても守備で踏ん張ることができなかったが、女子ワールドカップ記録となる1試合20本の3ポイントシュート成功と、生命線である長距離砲が大爆発したことでなんとか勝利できた。中でも林咲希は15本中9本成功、個人の1試合最多3ポイントシュート成功記録を更新と、まさに歴史に残るハイパフォーマンスだった。
「本当に勝ちたい気持ちが強かったです。自分の活躍どうこうではなく、誰かがホットにならないといけない状況で、今日は自分がなれて良かったです」と日本を救った林は、プレーを振り返る。
林は大会直前に行われた強豪ベルギーとの強化試合2試合で17得点と14得点をマーク。「ベルギーと戦った時、前半は3ポイントが入らなくても後半に決め切ることができたことで、自信を持つことができました。コーリー(ゲインズヘッドコーチ)は『グッドショット』と言ってくれ、周りもシュートを打ち続けるように鼓舞してくれました」と、この2試合で得た自信が今回の結果に繋がった。
東京、パリと2度のオリンピック出場など豊富な代表経験を誇る林だが、パリオリンピック後はコンディションに苦しみゲインズ体制下の代表になかなか絡むことができなかった。だが、今は心身ともに万全の状態で、指揮官との意思疎通もバッチリだ。「コンディションも良くなってきて、トレーニングをしっかり積めた自信がある中での今日の試合でした。私にシュートを打たせるフォーメーションが多く、託してくれている部分が多いので責任感を持ってやらないといけないです。また、『今は周りを使う時かな』とコーリーの考えていることも結構分かるようになってきました」
再び世界の大舞台で輝きを放ったことに「久しぶりな感じはしますし、海外の選手相手に活躍できたことは素直にうれしいです」と笑顔を見せる。そして、今の姿はかつてのプレーを取り戻した復活の姿ではなく、困難を乗り越えた新しい姿だと続ける。
「ここまで苦しいこともたくさんありましたけど、この期間があったおかげで今のプレーができていると思います。新しい自分になって戦っている感じで、支えてくれたいろいろな人に感謝して頑張りたいです」
この勝利はグループリーグ突破へ大きな価値がある。それでも、マリは同じグループのドイツ、スペインと比べると格落ちの相手であり、失点数を考慮すると勝って兜の緒を締めないといけない内容だった。林もディフェンスについては、「なんでこんなにやられているんだろうと思っていました。相手のリバウンド、フィジカルにやられてしまった部分が多くて、本当にイライラするくらいに良くなかったです」と反省しきりだった。
日本時間で本日の深夜に行われるドイツ戦で、マリ戦と同じディフェンスを見せたら日本の勝機はない。本来のやるべき堅守を取り戻すことが勝利の絶対条件だ。日本は3ポイントシュートの試投数を40本以上打つことを指標にしている。マリ戦では35本と届かなかったため、ディフェンスリバウンドを取り切って素早い攻守の切り替えに持ち込むことが必要となる。この展開に持ち込めた時、林の2日連続の爆発も自然と発生するはずだ。