昨シーズンの小川麻斗は千葉ジェッツから期限付き移籍で京都ハンナリーズに加入。シーズン終盤には先発に定着し全60試合に出場した。平均8.9得点、3.5アシストと攻撃型ポイントガードとして確かな実績を残したが、小川は神戸ストークスへの移籍を決断。京都で得た成長、そしてB2で優勝し、昇格組としてBプレミアに臨むチームに活躍の場を移した理由について聞いた。

「今までと違う課題は自分が成長するチャンス」

──京都で過ごした昨シーズンの後半には先発に定着し、得点やアシストに絡むシーンだけでなく攻守にわたって活躍しましたが、どのような1年でしたか?

ポイントガードとして責任を持つことについて考える1年でした。千葉(ジェッツ)の時は、富樫勇樹さんや西村文男さんが長年チームを牽引しており、それに付いていくだけでしたが、去年は自分がチームを勝たせるというか、自分を軸にしてゲームメークする役割を担っていました。最初はシュートを打つことや、決めきることが大事だと思っていましたが、(伊佐勉)ヘッドコーチから「ガードはいつでも打てる。得点を取れるガードを目指すのは分かるが、ゲームメークできるガードになってほしい」と言われました。それからは自分の中で整理ができて、責任感を持ってプレーできるように成長できました。

──神戸に移籍を決めた理由について教えてください。

一番はGM(九里大和ゼネラルマネージャー)の熱い思いですね。寺園脩斗さんが去年からメインのガードとしてプレーしていたのですが、僕が加入することで脩斗さんの負担を軽減して彼のプレー強度を保てるという話もありましたし、「何よりも勝てるチームを作るために争える選手がほしい」とおっしゃってくれました。GMの熱い思いに、チャレンジしたいという気持ちが重なって移籍を決めました。

──神戸に来てからの印象はいかがでしょうか?

同じ関西ですが、京都とは違った街の雰囲気を感じます。海に囲まれたアリーナがあるのはすごく不思議な感じで、超セレブな気分になれます(笑)。アリーナも整備されていて、バスケットに専念できる環境も移籍の決め手の一つです。チームの雰囲気は、B2を昨シーズンに優勝しただけあってチームワークや練習の強度はすごいと感じました。その中で、泰三さん(川辺泰三ヘッドコーチ)のみんなをプッシュするコーチングは選手を良い方向に導いていると思いました。

──川辺ヘッドコーチから求められている役割について教えてください。

リーダーになってほしいと言われています。ポイントガードとして選手に正しいことを言うだけでなく、全力でプレーしてディフェンスの圧を上げて高い強度でプレーするといった、背中でリーダーシップを見せてほしいと言われています。脩斗さんという素晴らしいリーダーシップを取るお手本がいて、今は比べものにならないですが、今までと違う課題を与えてもらえることは、自分が成長するチャンスだと思っています。難題ではありますが、頑張っていきたいです。

──これまでに様々なチームでいろいろなポイントガードと関わってきましたが、彼らと比べて自分に足りないところはありますか?

遠慮しやすい性格なので、バスケット選手としてもったいないと思うことがあります。消極的になってしまう自分がいるので『自分はやれるんだ』というメンタルを持ちながらプレーしないといけないと思います。脩斗さんを見ていると、自分に自信を持っているなと思うことが多いので、そこは真似していきたいです。

──逆に「ここは誰にも負けない」というところを教えてください。

脚力は高校時代からすごく鍛えられていて自信はあるのですが、泰三さんのバスケは思っていたよりも、きつくてしんどいんです。体力が少し落ちているので、40分間激しくディフェンスがやれるようにならなくてはいけないですが、やれる自信はあります。今を乗り越えれば、どんな相手にもアグレッシブにプレーできる明るい未来が見えるくらいハードなので、本当に成長を実感できています。

今はセカンドとして出させてもらっていますが、得点を取れることは去年に証明できたと思うので、あとは確率良く決めて、チームの得点が落ちている時に上げられるように頑張っていきたいですね。

──Bプレミアはこれまでとスケジュールも変わりますし、外国籍選手のオン・ザ・コートがフリーになります。その点については率直にどのような感想ですか?

スケジュールはタフだと思いますし、練習もどうやってシーズン中に行うのか、スケジュールの想像がつきません。今までと感覚が違ってくると思うので本当にどうなるかわからないですが、やるしかないですね。オン・ザ・コートについては、それによってプレータイムが限られてくるのか分からないですが、コーチに信頼されることが大事だと思っています。コートに立った時に、どれだけ全力でプレーができるか、「小川が出た時の試合の流れが良いよね」と言われるように信頼を勝ち取っていきたいです。チャレンジするために移籍してきたので、言い訳は不要です。新しいルールと環境は、プレーヤーとして楽しみでしかありません。