アジアカップを控え、合宿を重ねて着々と向上していく女子日本代表、吉田亜沙美は「日本のバスケットを見てもらいたい」

2017/07/05
日本代表
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文=丸山素行 写真=鈴木栄一

昨年のNCAA王者を一蹴するも「大学生なので」

6月18日から約3週間に渡り強化合宿を行っている女子日本代表は、来日中のサウスカロライナ大学と3日間スクリメージを行った。

メディア向けに公開された3日目のスクリメージを終えて、主将の吉田亜沙美は「一人ひとりのリングに向かっていく姿勢が強いチームだと思いました。3日間対戦していく中で得るものもたくさんありました」と総括した。

対戦相手のサウスカロライナ大は昨年のNCAAを制した強豪校だ。それでも世界を目指す吉田にとっては負けてはいけない相手。「まだ完成されていないチームですし大学生ですので、負けたら絶対ダメ。勝つ中で内容がすごく大事になってきます」

「大学生ですので」という言葉が何度も出てきたことが、吉田の勝利への貪欲さであり、チームに対する責任感でもある。それだけに、20点差で大勝した昨日のゲームでも反省する点が多く出た。

「今日は特別ミスが多かったです。ヨーロッパ遠征の時も高さだったり手の長さだったりというのは経験しましたが、ボールをもっと大事にしようという気持ちが少なかったかなと。ミスをどれだけ少なくするかというのと、悪い流れになった時にどれだけ短い時間でそれを断ち切るかというのは今後の課題です」

昨日のゲームは結果的に20点差をつけて勝利したが、前半を終えた時点では4点差と拮抗していた。この点の気の緩みを吉田は指摘する。

「2日目に大差で勝ったんですけど、その後のゲームということで気持ちの部分でもダメな部分が出ていたと思います。大差で勝った後の次の試合、アジアカップでもいかに集中して崩れずに連戦を戦い抜けるかというのがキーポイントになると思うので、一瞬の気の緩みもなく戦っていきたい」

オランダ戦は「楽しんでる姿を見せられる機会」

サウスカロライナ大のヘッドコーチを務めるドーン・ステーリーは、昨年のリオ五輪でアメリカ代表のアシスタントコーチを務め、現在はヘッドコーチに昇格した。そんな名将への印象を聞かれた吉田は「厳しい方というのは試合を通して感じました」とコメント。

「選手に対する要求というのがその選手をちゃんと理解して、それならできるという設定で求めていると思いますので、その選手はそれに応えられるようにやっていかないといけないと思います。少しのミスでも許さないというのは(トム・ホーバスヘッドコーチと)共通して同じなのかなと。良いヘッドコーチだと思いましたし、選手たちはすごく幸せなんだろうなと思いました」

ステーリーコーチに向けられた言葉は、『トム・ホーバスコーチと同じで』というニュアンスを含んでおり、このコメントからトムコーチと築いた強固な信頼関係が垣間見られた。

当面の目標であるアジアカップは7月23日に開幕する。大会まで2週間あまり、現在のチームに吉田は手応えを感じている。「リバウンドの部分で日本は弱いとずっと言われ続けてきましたが、一歩一歩ですがぶつかり合いやボックスアウトが良くなってきている。でも、もっともっとできるチームだと思いますし、これから強くなっていけるチームだと思っています。これから12名に絞られますが、誰が選ばれても結果を残すことが大事になってくるので、しっかり気持ちを作って良い結果を残したい」

今週末には国内最後の強化試合としてオランダ代表との親善試合を控えている。日本代表がファンの前でプレーできる貴重な機会を前に、吉田はファンへ向けてこう呼びかけた。

「一番は日本のバスケットを見てもらいたいです。自分たちが楽しんでる姿というのを見せられる機会だと思いますし、バスケットをもっともっと好きになってもらいたいです。バスケットを広めるためにも選ばれた12名がトムのバスケットを40分間最初から最後まで、全力で相手に向かっていくということをコート上で見せたいと思います」