ラッセル・ウェストブルック

ミスター・トリプル・ダブルが18年のキャリアに幕

ラッセル・ウェストブルックは、アカデミー俳優のマイケル・B・ジョーダンがナレーションを務めた動画をSNSに投稿する形で現役引退を発表し、18シーズンに渡るキャリアに幕を下ろした。通算209回のトリプル・ダブルはNBA史上最多。通算アシスト数は歴代5位、通算得点は歴代14位に位置し、平均20.9得点、8.0アシスト、6.9リバウンドという数字を残している。

2008年のドラフトでシアトル・スーパーソニックスから全体4位指名を受けたウェストブルックは、2017年のMVPと9度のオールスター選出を誇る、NBAを代表するスター選手の一人。サンダーではケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンとの『若き黄金トリオ』を形成。2012年にはファイナルまで駒を進めるも敗退し、2016年の西カンファレンスファイナルでも第7戦の末にウォリアーズに敗れた。この敗戦を機にデュラントがウォリアーズへ移籍することになるが、そんな激動の時代を経てもなお、ウェストブルックはオクラホマシティで最も愛された選手であり続けた。移籍後にサンダーの本拠地へ戻った際には、大歓声とともに敬意を込めたトリビュート映像で迎えられている。

それでもサンダー退団後は、所属チームに恵まれたとは言い難い。ロケッツ、ウィザーズ、レイカーズ、クリッパーズ、ナゲッツ、そして最後の所属先となったキングスと、7チームを転々と渡り歩くことになった。キングスでの昨シーズンは64試合に出場し、平均15.8得点、6.7アシスト、5.4リバウンドを記録。ラストイヤーにも6回のトリプル・ダブルを記録した。

発表された動画でウェストブルック自身が語る言葉は少ない。SNSに添えたコメントで「時に、自分がすでに終わりを見ていたことにさえ気付かないものだ。その場にいなければ分からない。そして今、それは終わった」と綴っている。

彼のキャリアを振り返る動画の冒頭でジョーダンは「物語の道中で、彼にいくつかの質問をしよう。だが、答えを期待してはいない。沈黙の中にも問われるべき価値があるからだ」と語る。そして動画の最後に投げ掛けられた「最も誇りに思うことは何か」という問いに、ウェストブルックの答えはなかった。18年間の答えは、すでにコートの上で示し尽くしていた。