
平均ターンオーバー数は唯一の一桁台
U17女子日本代表は『FIBA U17女子バスケットボールワールドカップ2026』を16チーム中7位で終えた。
日本は予選グループでFIBA女子ユースランキング上位のスロベニアにも勝利し、全勝で決勝トーナメントに進出。準々決勝進出を懸けたエジプト戦も80-53と快勝し、その勢いのままベスト8でオーストラリアと対戦したが、リバウンドで圧倒され準決勝進出とはならなかった。続く順位決定戦ではニュージーランドに敗れて7・8位決定戦に回り、予選で戦ったスロベニアと再戦し、54-45のロースコアゲームを制して勝利で大会を締め括った。
日本を率いた鈴木良和ヘッドコーチは9日間で7試合を戦い抜いた選手たちを称賛。メダル獲得を目標に掲げ、前回大会より順位を一つ下げたが、「予選ラウンドを全勝で突破し、ベスト4をかけたオーストラリア戦では、あと1ゴールというところまで相手を追い詰めることができました」と、手応えを感じたと総括した。今回目指したチーム像については『フルコートでのプレッシャーディフェンス』、『速い展開からのペイントアタック』、『停滞せず、アクションし続けるオフェンス』の3つを大きなテーマとして挙げていたことを明かした。
日本はサイズやフィジカルで他国に劣るため、オフェンスが停滞すると不利な展開になることが多い。それを解消するために状況判断能力を向上するドリルを行なったという。「停滞せずに次々とペイントアタックを狙い続けるバスケットボールを目指しました。その中で、良い判断をすること、正確なスキルを発揮することを重視し、合宿期間中は『ビタミンドリル(ビタミン剤を摂るように毎日少しずつ基礎練習を続けて身体に動作を染み込ませるドリル)』という反復メニューに取り組んできました」
日本の選手全員が高い共通認識を持って『停滞せず、アクションし続けるオフェンス』を遂行したことによって、次から次へとアクションを起こしながらもボールをしっかりと回し続け、相手ディフェンスを翻弄していった。今大会のベストファイブに選ばれ平均18.1得点を記録した竹内みやと、平均13.9得点(チーム2位)の大槻佳子が、アイソレーションからペイントアタックを果敢に行ない続けたことが日本の武器となった。日本の選手が高い共通認識を持ってプレーしたこと、質の高いアイソレーションによって1試合平均のターンオーバー数は9.4本と、大会唯一の一桁台をマークしたことからも、遂行度の高いバスケットが展開できていたことが証明されている。
その一方で課題も見つかった。アイソレーションを多用したことでアシスト数は16チーム中15位と、個人の能力に頼ってしまったことが浮き彫りとなった。そしてキャプテンを務めた細澤幸生も「リバウンドで競り勝つことが課題」と語るように、リバウンド部門でも同様に15位と弱点が露呈した。鈴木ヘッドコーチも「果敢にコンタクトした結果、ファウルを吹かれる場面も多く、引き続きサイズ差を埋めるための努力を続けていく必要があると感じています」と、明確な課題としてリバウンドを挙げた。
チーム全体で目指した『停滞せず、アクションし続けるオフェンス』は女子A代表が目指す『ペース&スペース』バスケに繋がる。その反面、竹内をはじめとして『速い展開からのペイントアタック』を、世界に対して真っ向勝負するマインドを育て上げるのも、育成世代では重要なことだ。
だからこそ、鈴木ヘッドコーチはこのように締め括った。「代表活動には勝利を目指すことはもちろん、将来のフル代表につなげる育成という目的もあります。竹内選手をはじめ、このチームの中から1人でも多くの選手が将来の日本代表選手として成長し、日本のバスケットボール界を引っ張っていってくれることを期待しています」
多くの課題と収穫を得た今大会は彼女らの成長を後押ししたに違いない。鈴木ヘッドコーチも話すように、コーチングスタッフはこの結果をフィードバックして育成世代のさらなる成長に繋げることが今後の至上命題となる。