渡邊雄太

「5対4で攻め切るというところはかなり意識しながらやっていました」

『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window3の中国戦に日本は93-72の快勝を収めた。

序盤は一進一退の攻防が続き、一時7点のリードを許す時間帯もあったが日本が慌てることはなかった。途中出場の佐々木隆成がペインタッチを繰り返したことで3ポイントシュート一辺倒だったオフェンスを改善すると、ベンチから出ていく選手もそれぞれが役割を果たし、セカンドユニットのパフォーマンスで中国を上回った。

攻守で奮闘し16得点4リバウンド2ブロックを記録した渡邊雄太は、活躍したジョシュ・ホーキンソンや佐々木の名前を挙げつつ、ターニングポイントとなった序盤の攻防を振り返った。「最初に7点ぐらいリードされて僕が1回引っ込んだ時に、隆成を筆頭にベンチメンバーがかなりエナジーを上げてやってくれました。中でも隆成が要所でしっかりと良い形で繋いでくれたと思います。相手がドロップ(ピック&ロールに対してビッグマンがペイントエリアへ下がって守る方法)してくるのは分かっていたので、ジョシュのトップを起点にしようというのはゲームプランの一つでした。それをかなり高いレベルで遂行できたと思います」

ハーフコートオフェンスもさることながら、トランジションオフェンスの破壊力も際立った。狙いすましたスティールから速攻を決めることもあれば、失点しても素早いリスタートから速攻に繋げるシーンも多々あった。渡邊も「中国にピック&ロールからやリバウンドからゴール下でやられるのは分かっていたので、その後の切り返しをとにかく早くして、5対4で攻め切るというところはかなり意識しながらやっていました」と言う。

実際に速攻での得点は23-8と圧倒。川真田紘也がリバウンドから走り、ファウルを受けながらバスケット・カウントを決めたシーンは日本の速攻を象徴する場面となり、渡邊も「いや、もう衝撃でしたね」と笑顔を見せた。「彼の身体能力の高さだったり、負けん気の強さ、ガッツあるプレーは本当に大好きです。ああいうプレーをやり始めたら、ジョシュのバックアップとしてのポジションを確立していけると思うし、どんどん増やしていってほしいです」

ベンチメンバーを含めた、まさにチーム一丸の勝利となったが、渡邊はベンチ外のメンバーの存在も大きいと言う。「(小川)敦也も(高島)紳司も(金近)廉も、狩野(富成)も練習でかなり良いプレーをしていて、誰が選ばれてもおかしくなかったぐらいです。若い選手が高いパフォーマンスで練習をやってくれることで、ずっと出ている僕だったり、今までメンバーに入って来ていた選手が危機感を持って練習に参加できています。若い選手のエナジーだったり、個々の良さというのが、今日の勝利を与えてくれたかなと思います」

中国に勝利したことで日本は2次ラウンド進出を決定させたが、チャイニーズ・タイペイが韓国に劇的な逆転勝利を収めたように、どこが勝ち抜いてもおかしくないグループだった。だからこそ渡邊は今回の勝利の大きさを噛みしめる。

「僕たちが2連敗して、台湾が2連勝した場合は3勝3敗になることも考えられました。そうなったら本当にどうなるか分からなかったです。今日の勝ちは、自信と闘争心に火をつけてくれる勝ちだったと思います。これだけタフな環境の中で40分間自分たちのプレーをし続けられたというのは、今の日本の強さを表していると思います。自信を持ってやっていけば、こういう強い相手にもプレーができるんだということを、本当にすごく感じました。とはいえ、ここで終わりではなくワールドカップへの道、その先のオリンピックへの道へと続いていくので、今日喜ぶところは喜びたいと思いますが、次の試合も勝てるように頑張りたいと思います」

渡邊は出場していないが、2025年2月に行われたアジアカップ予選のアウェー中国戦で日本は58-100の大敗を喫している。あれから約1年半、渡邊が言うように日本の成長具合が見える快勝劇となった。