
16分出場で13得点4アシストとベンチから起爆剤に
男子日本代表は、『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window3のアウェー中国戦に92-73と快勝。これで7月6日の1次ラウンド最終戦となるアウェー韓国戦を残し、2次ラウンド進出を決めた。
この試合、日本代表は出だしこそ中国にリードを許したが、すぐに盛り返し富永啓生のブザービーターとなる3ポイントシュートで逆転して第1クォーターを終える。この勢いを第2クォーターも維持し、10点リードでハーフタイムを迎えた。
前回のWindow2のホーム中国戦、日本は前半で14点リードを奪いながら、後半に入ると中国の激しいプレッシャーに屈して受け身に回ってしまう。第3クォーターに9-25と失速し、80-87と逆転負けを喫した。しかし、今回は前回の教訓を生かし、第3クォーターに入っても積極的なアタックを貫くことでさらにリードを広げる磐石の試合運びを見せた。
第3クォーター、日本代表に強気の攻めで勢いをもたらしたのは佐々木隆成だ。残り6分11秒、前から激しく当たってくるマークマンをかわしてゴール下に切れ込むと、コンタクトを受けながらレイアップシュートをねじ込んでバスケット・カウント。さらにプルアップ、キャッチ&シュートと異なるパターンでの連続3ポイントシュート成功と、持ち前の爆発力を存分に発揮した。
桶谷大ヘッドコーチの下、日本代表は高い生産性のあるオフェンスを実行するために、まずはペイントタッチによって守備のズレを作ることを大切にしている。このコンセプトを遂行するように佐々木は得点だけでなく、持ち前のクイックネスを生かした鋭いドライブでペイントタッチを次々と生み出した。最終的に佐々木は、16分5秒のプレータイムで13得点3リバウンド4アシストと、シックスマンとして100点満点の活躍ぶりだった。
桶谷大ヘッドコーチも、佐々木の試合の流れを変えた活躍を絶賛。「なかなかペイントに侵入できず、外のシュートを打ってしまった状況で、隆成を入れてペイントにどんどん侵入してくれました。この辺りから良いペイントタッチができてきて、中国のディフェンスが混乱し始めたと思います」

42点差の大敗からのリベンジ達成、「めちゃくちゃうれしいです」
佐々木は「今日は本当に日本のバスケットが展開できました。こうやって自分たちのバスケができればどんな相手にも勝てると思うので、そこは自信を持ってやっていきたいです」と試合を総括する。
指揮官も高く評価したペイントタッチについては、「自分の得意なプレーですし、このチームに求められていることだと思います。これを表現するのが僕の仕事です」と続ける。
日本バスケットボール界の歴史において、アウェーでフル代表の中国に勝利するのは偉業となる。佐々木個人としても、大きな意味を持つ勝利となった。佐々木は2025年2月20日に深圳で行われた『FIBAアジアカップ2025予選』のアウェー中国戦に出場。この時も個人としては17得点と奮闘したが、試合は58-100と大敗していた。この悪夢を払拭する勝利に貢献できたことに「めちゃくちゃうれしいです。前に試合をした時、ボコ負けをしたので、今回は負けたくない気持ちを持っていました。この思いをコートで表現できてよかったです」と充実感を語る。
2024-25シーズンのBリーグチャンピオンシップで左アキレス腱断裂の重傷を負ったこともあり、今回の佐々木は、1年半ぶりの代表復帰となった。「桶さん(桶谷ヘッドコーチ)は選手一人ひとりの強みを出そうとしてくれるので、やりやすいです」と、桶谷体制に早くもしっかりフィットしている。
故障の影響もあり佐々木が日本代表でプレーしているのは予選Windowのみで、ワールドカップ、アジアカップなど主要本大会の出場はない。だが、この試合の活躍で、予選より上のステージでプレーするに相応しい力を持っていることを証明した。「これでスタートラインに立てた感じです」と慢心なき佐々木の台頭は、日本代表の大きな底上げとなる。