
「苦しみに満ちた心の奥底で、この日が来ると信じた」
現地6月18日、ニックスの優勝パレードが行われた。バッテリー・パークから市庁舎までの『ヒーローの峡谷』は、スポーツに限らずニューヨーク市民にとっての式典の場。この瞬間を53年間待ち望んだニックスファンがすべての通りを埋め尽くし、彼らの歓声と紙吹雪の中でパレードが行われた。その終点の市庁舎ではセレモニーが行われ、選手たちが優勝の喜びをファンと分かち合った。
中でも印象的なスピーチを行ったのは、ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニだ。就任から間もないマムダニは「53年もの長い間、我々はニックスを見守り、待ち続けてきた」と言い、ファンと共有する自分の記憶を語り始めた。
「片足を引きずりながら優勝を勝ち取ったウィリス・リードの記憶が薄れないよう耐え、ウォルト・『クライド』・フレイジャーが何度も奮起し、ジョン・スタークスがマイケル・ジョーダン相手にダンクを叩き込み、パトリック・ユーイングがペイサーズを粉砕するのを見てきた。バーナード・キングの60得点、リバウンドを取りまくったチャールズ・オークリー、レジー・ミラーに詰め寄るスパイク・リー、マイアミの空を舞ったアラン・ヒューストンのシュート、NYが震えたラリー・ジョンソンの4点プレー、ステフォン・マーブリーとコービー・ブライアントの名勝負、ヤオ・ミンをブロックするネイト・ロビンソン、『リンサニティ』に熱狂した。カーメロ・アンソニーはMSG(マディソン・スクエア・ガーデン)が世界の中心だと再確認させてくれた」
その後も彼の口からは、往年のレジェンドはもちろん、地味ながらニックスのために汗を流すことを厭わなかった選手たちの名前が次々に飛び出した。「この優勝はイマニュエル・クイックリー、RJ・バレット、ドンテ・ディビンチェンゾ、ジュリアス・ランドルのものでもある。チームの土台を築いたコーチ、トム・シボドーのものでもある」と彼は続ける。
「それらすべての中で、我々は待った。苦しみに満ちた心の奥底で、いつか必ずその日が来ると信じていた。そしてニックスはついに成し遂げた。NBAチャンピオンだ!」
"This championship belongs to them too, because championships aren't just built in one season."
— SNY Knicks (@sny_knicks) June 18, 2026
Zohran Mamdani shouts out former Knicks players and Tom Thibodeau for their contributions towards this Knicks title: pic.twitter.com/Zqrb8dF7vQ
マムダニはウガンダで生まれ、7歳の時にニューヨークに移住した。まだ33歳の彼は前回の優勝を知らないし、勝てない時期の半分しか経験していないが、筋金入りのニックスファンとしてこの四半世紀を過ごしてきた。その愛情は時に行きすぎ、昨年の市長選ではニックスのロゴの「Knicks」を「Zohran」に置き換えた広告を出し、ニックスからの差し止め請求を受けている。ただ、この時の『今年は我々の年だ』というキャッチコピーは、彼の市長当選とニックス優勝の2つの意味で現実となった。
「この数週間、ニックスが勝ち進むにつれてニューヨークの街は一つになっていった。隣人が集まり、見知らぬ者同士が路上でハイタッチし、車掌は歌い、運転手は踊った。この街が一つになる時、その多くは悲劇や逆境から立ち直る時だ。だからこそ、この純粋で混じり気のない『喜び』によって一つになれたことは素晴らしい贈り物だ。この街が一つになり、活気と幸せに包まれた瞬間を、私たちは一生忘れない」
ここで沸き起こった大歓声を、「少し時間を戻そう。8日前の第4戦だ」とマムダニは遮った。「第4クォーター残り9分33秒、ニックスは20点差で負けていた。データの専門家は『スパーズの99.6%勝利』という数字を弾き出した。しかし、外部から見ている解説者はこの街を理解していない。ニューヨークが本領を発揮するのは残された0.4%の中だ」
「その0.4%の中で、多くの人から『背が低すぎる』と言われたジェイレン・ブランソンが偉大さの基準を示した。その0.4%の中で、OG・アヌノビーはシュートの軌道を見つめながら走り、指先を伸ばした。その0.4%の中で、カール・アンソニー・タウンズは母を亡くした悲しみを力に変えた。その0.4%の中で、ホセ・アルバラードは地元育ちが何を勝ち取れるかを子供たちに示した。その0.4%の中で、ミッチ(ミッチェル・ロビンソン)は指を骨折していてもテーピングして戦い続けた。その0.4%の中で、ジョシュ・ハートは相手の心を折るリバウンドを奪い、ミケル・ブリッジズは自分のために費やされた指名権に見合う価値を証明し、ランドリー・シャメットはシュートを決めた。18人の選手全員がこのチームを変え、マイク・ブラウンが魂を入れた。そして何より、その0.4%の中でニックスはニューヨーカーがやり続けてきたことを成し遂げた。不可能だと言われた時こそ、私たちは勝つ道を見つけ出す」