「出し切れたかと言われれば、あやふやな部分もありました」
バスケットボール女子日本代表は9月に名古屋市で開催される『第20回アジア競技大会』に向けて強化を進め、第3次強化合宿を終えている。
合宿に参加したのは平均年齢24.1歳の19名で、この中には5月に行われた国際強化試合ラトビア戦に出場したメンバーもいる。そのうちの一人が佐藤多伽子だ。佐藤は世代別代表や3×3の強化合宿参加の経験はあるものの、5人制のA代表に呼ばれたのはこの強化試合が初めてだった。だからこそ、「自分がこの場所に選ばれるとはあまり思っていなかった」と振り返る。
彼女がそう思うのも無理はない。他の代表選手のほとんどがWリーグの1部に相当する『Wリーグプレミア』に所属する中、佐藤は『Wフューチャー』のプレステージインターナショナル アランマーレに在籍しているからだ。それでも佐藤はレギュラーシーズン全24試合に先発出場し、平均9.5得点、4.8リバウンド、2.0アシストを記録して、チームを3位へと押し上げた。
このオールラウンドな能力が目に留まり代表入りすると、トランジションからの速攻に加え3ポイントシュートも成功させるなど、日本が目指す『ペース&スペース』のベースにフィットしてみせた。ただ、本人は「短い時間の中で完全に自分を出し切れたかと言われれば、あやふやな部分もありました」と言う。
タイムマネジメントが徹底され多くの選手が起用される中、短いプレータイムでのアピールはもちろん容易ではない。エゴを出せばチームの規律が崩れかねない状況下で、自分のやるべきことを全うした。
「ぺースの部分は自分でもできると思っていて、速い展開で速攻を走る部分は積極的にやれました。個人競技ではないからこそ、自分がどう動けば周りが動きやすくなるかを考えていました。ディフェンスは誰もが頑張れるところなので、そういう部分ではできたと思います」

「短い時間の中で自分をどう出すかが一番大事」
9月にはアジア競技大会だけでなく、さらに重要なワールドカップ2026が待っている。ワールドカップへ向けたサバイバルはここからさらに激化していくが、佐藤は周囲を意識するよりも、まずは自らの足元を見つめる道を選んだ。
「(ロスター入りという)目標ももちろんありますが、それよりも今の時点でいろんな人たちから学んで吸収し、もっと自分自身が成長しなければいけないというのが率直な思いです。短い時間の中で自分をどう出すかが一番大事だと思っていますし、まだまだ自分の力が足りないというのは感じているので、もっと成長していきたいです」
先を見過ぎず、着実なステップアップを目指す佐藤だが、その成長速度が速まればロスター入りも夢ではないだろう。そして、同じような体格の選手がひしめく代表候補の中で、どのようにして生き残り、個性を出していくかのヒントを、白鴎大の先輩でもある林咲希から学んだという。
「同じシューターとして、どんな状況であれ自分のタイミングでしっかりシュートを打ち切れているところはすごく学ばせてもらいました。それを自分のモノとして落とし込めるようにしたいです。自分の強みのカッティングプレーだったり3ポイントシュートなど、自分の引き出しをもっと増やしていきたいです」
アランマーレでの活躍が引き寄せたシンデレラストーリーはまだ始まったばかりで、今回得た貴重な経験をただの思い出にするつもりは毛頭ない。彼女がここからどれだけのスピードで引き出しを増やし、熾烈な代表争いに加わっていくか。今後の動向から目が離せない。
日本代表初選出🇯🇵🔥#佐藤多伽子 がスティールから駆け抜け、代表初得点!!
🏆#三井不動産カップ2026 (神奈川大会)
女子日本代表🇯🇵 🆚 女子ラトビア代表🇱🇻 第1戦#バスケットLIVE 配信中📡#バスケで日本を元気に #日本一丸#AkatsukiJapan pic.twitter.com/2r7SxjFm8W— バスケットLIVE (@BASKETLIVE_JP) May 16, 2026
