代表候補メンバーに返り咲き「よし、もう一回」
バスケットボール女子日本代表の第7次合宿において、藤髙三佳とともにメンバー復帰を果たしたのが、早稲田大4年の中田珠未だ。学生から唯一の代表候補に選出されている中田に、主力として奮闘するも惜しくもメダルを逃したユニバーシアードの振り返り、そして今、重点的に取り組んでいる外角シュートへの手応えを聞いた。
──まず、代表候補から一度は外れた中で復帰できたことへの感想を教えてください。
素直にうれしかったです。前の合宿はユニバーシアード代表の活動と重なっていました。また、前回のベルギーとの強化試合では、練習中の激しい接触があってそこから思うようにプレーできずに、自分の力を出し切れなかった悔しさはありました。そういう意味で今回、トム(ホーバス)さんに「もうちょっと見てみたい」と呼ばれたらいいなと思っていました。だから、「まだチャンスがあった。よし、もう一回できる」という気持ちです。
──7月のユニバーシアードは準決勝でアメリカ代表に5点差で惜敗しての4位と、あと一歩でメダルを逃す結果でした。
アメリカ戦では速攻など自分の持ち味を結構出せたところはありました。ただ、3ポイントシュートを3本打ちましたが入らなくて、1本は決めたかった。細かい部分ところではいろいろと悔いもありますね。
自分は銀メダルを獲得した2年前の前回大会も経験していて、こうしてA代表にも呼んでもらえています。だからこそ年齢では最上級生ではないですが、チームを引っ張っていかなければいけないと感じていました。スタッフの方からも、もっとリーダーシップを取ってやっていいよと声を掛けてもらえていて、そういう意味ではやりやすかったです。
前回は一番年下で、それでもスタートで出られたことに「うれしい!」と喜ぶような感じでした。でも今回は、主力として自分が得点を取って、リーダーシップを発揮しないといけない立場で、そこで結果を残せなかったことに「自分はまだまだ」と感じました。
「走る部分は自分の強みとしていつでも出せる」
──今の日本代表ではインサイドの選手にも3ポイントシュートが求められます。合宿のメニューではステップバックからの3ポイントシュートも取り入れられていました。インサイドプレーを主体としてきた中田選手ですが、外角シュートの手応えはどうですか?
ステップバックの3ポイントシュートは、今回の合宿で初めてやりました。今までのバスケ人生でも全くやったことがなくて、最初はびっくりしました。すべてショートになって(笑)、これから練習しないといけないです。
大学だと自分はドライブを警戒されて、相手はすごく下がります。ここで3ポイントシュートが入るようになれば、そこまで下がれないのでより仕掛けやすくなる。3ポイントシュートを打つこと自体に悪いイメージはありません。ドライブを生かすために、外から決められるようになろう、というスタンスです。
本格的に3ポイントシュートを打ち始めたのは去年からで、シュートが届かないところからのスタートでした。それを考えれば今は打った感覚で入った、ズレたというのが分かるようになってきましたし、ちょっとずつ向上できています。最初の頃は、打つのに躊躇してしまう時もありました。今は「ああ、3ポイント来ちゃった」とは思わなくなりました(笑)。
──9月下旬にはアジアカップがあります。メンバー入りはどう意識していますか?
前回、トムさんの前でバスケットをあまりできなかったです。だからこそ、これから課題もいろいろと出てくると思います。その分、代表という環境にいることで、自分のレベルアップには絶対に繋がる。少しでも長くここでやれたらいいなとは思います。
──では、代表に残るために、自分のどんなところを強みとしてアピールしたいですか?
自分がどんな時もできるのは、走るのとリバウンドとディフェンスです。ユニバの時も感じましたが、自分よりも大きい相手とマッチアップすることは国際試合では当たり前です。その中でも、走る部分は強みとしていつでも出せる。そういうところをアピールしていけたらいいなと思います。