文=丸山素行

オーストラリアの編入でアジアの勢力図は一変

アジアカップに向けてチーム作りを進める女子日本代表。19日にメディアに公開された練習では、一つひとつのプレーに真剣に取り組むことでチームを引っ張る、吉田亜沙美キャプテンの姿がやはり目立った。競技人生のすべてを懸けたリオ五輪終了後の『燃え尽き症候群』からは脱却。新たなモチベーションを得てバスケに取り組んでいることがうかがえる。

アジアカップでは2連覇中、昨年のリオ五輪でベスト8と結果を出している女子日本代表だが、アジアカップに向けて油断はない。今大会からオーストラリアとニュージーランドがアジア枠に編入された。特にFIBAランキング4位のオーストラリアの存在は脅威だ。FIBAランキング10位の中国、12位の日本がトップチームだったアジアの勢力図は一変することになる。

練習を終えた吉田は、アメリカ遠征、ヨーロッパ遠征を経て大会への準備を進めるチームの現状をこう語る。「ディフェンスで我慢してリバウンドを取って走るのが日本の強さなので、そこがまだまだ出来てないのでそこが課題です」

「やっぱりリバウンドのボックスアウトをしないと飛び込まれたりだとか、押され負けして上から取られたりとかあるので、リバウンドがどれだけ大事かを肌で感じることができたと思うので。移動して最後セルビアと3試合やった時には2試合目から徐々に良くなってきて『戦える』という自信を持って帰ってきました。アジアカップまでに仕上げて大会に臨みたいです」

新チームには若手も加わっている。吉田にとっては自身のパフォーマンスだけでなく、新しい選手をどれだけチームにフィットさせ、底上げにつなげるかも関心事。「相手が年上だろうが年下だろうがぶつかっていったり、それこそ抜かれたら思いっきりファウルするのがない。そこが変わってきてガツガツやってきた時にもっとチームのレベルが上がってくると思う」と吉田は言う。ただ、その意識については「ベテランや中堅が練習の中で言葉だけではなくて、プレーで肌で感じさせてあげられるものだと思うので、どうにかして変えてあげたい」と意気込む。

「下が押し上げてくれれば上は『もっともっと』と思って頑張れるので、全体が上に上がっていくという気持ちがないと。上がレベルアップしたいと強く思っていても下が付いてこなかったら意味がないので、キャプテンとしてみんな同じ気持ちにさせてあげれるようにやっていきたい」

7月8日と9日に『三井不動産カップ』としてセルビア代表を招き、ウイングアリーナ刈谷で国際強化試合を行う。この前に最終メンバー12名を発表される予定。アジアカップ本番、日本はグループBに入り、7月23日にフィリピン、24日に韓国、25日にオーストラリアと対戦。27日から決勝トーナメントに入り、決勝は29日に行われる。