シュート成功後のセレブレーションで魅了

『Bリーグアワードショー』が5月29日に行われ、レバンガ北海道の富永啓生はレギュラーシーズンベストファイブ、ならびにレギュラーシーズン最優秀インプレッシブ選手を受賞した。

富永は高校時代から卓越した得点能力で高校バスケ界を席巻し、卒業後はアメリカに渡って2021-22シーズンからNCAAディビジョン1のネブラスカ大でプレー。4年生時にはチームのエースとして強豪大撃破を果たし、NCAAのトップ選手が集う3ポイントシュートコンテストで圧巻のパフォーマンスを見せて優勝した。

卒業後はペイサーズ傘下のマッドアンツ(現・ブーム)に在籍し、今シーズンより北海道に電撃移籍。これまでは3ポイントシュートの印象が強かったが、カッティング、ドライブからの得点をからめたスラッシャーとして対戦相手を翻弄し、今シーズンは平均19.5得点で日本人トップスコアラーとなった。

富永を語る上で得点力と共に欠かせないのが、劇的なシュートや誰もが決められないと思うようなシュートを決めた後に披露するセレブレーションだ。宇都宮ブレックスの比江島慎がニックスのミケル・ブリッジズのセレブレーションを真似していたのは記憶に新しいが、富永も大学時代から行っていたさまざまなセレブレーションをBリーグで披露し、界隈で大きな話題となった。

積極的にセレブレーションを繰り出した背景には、ホームコートアドバンテージの力を引き出したいという思いがあったと富永は言った。「お客さんの声援というのはプレーに影響します。ホームコートでお客さんと一体となってプレーすることができたら、アウェーチームの選手たちはやりづらいです。ホームコートアドバンテージは取れると思うのでそういうところを意識しながらやっていました」

あっという間だった60試合

北海道は今シーズン、初のチャンピオンシップ進出を狙える位置を走り、一時は東地区の首位にも躍り出た。しかしシーズン終盤に主力選手が相次いでケガをし、あと一歩のところで快挙達成を逃した。しかし富永はこの1年間を楽しかったと振り返る。

「開幕するまではレギュラーシーズン60試合は長いという印象でしたが、プレーしてみたら一瞬で終わったという感覚です。本当にレベルが高いリーグだと思いますし、どこのアウェーに行っても満員の中で試合ができる環境というのは選手たちにとっても素晴らしい環境だと思いました」

マッドアンツではプレーする機会に恵まれなかったが、Bリーグに舞台を変えて輝きを取り戻した。そして勝負の楽しさにあらためて触れた。チャンピオンシップ出場とはならなかったが、ファイナルでゲスト解説をしたことは富永にまた一つ刺激を与えた。「自分たちもあの場所に立ちたいと強く思いました」

輝きを取り戻した富永のセレブレーションは、プレーすることの喜びを身体全体で表現しているように見受けられた。「アメリカナイズされている」と言う人もいる。「相手チームへの敬意に欠けている」と言う人もいる。しかし、彼はファンを巻き込んでバスケットを楽しもうとしているだけなのだ。「やっぱりプロである以上、見に来てくれているお客さん、ブースターの皆さんを楽しませることは一つ大事なことだと思っていたので(盛り上がってくれたことは)うれしかったです」

ファンの声援が富永の力になっていることに間違いはない。来シーズンも彼の活躍を期待するとともに、繰り出されるセレブレーションで会場が一体になる瞬間を楽しみにしたい。