ジョエル・エンビード

ダブルチームを引き付け、得点もアシストも自由自在

セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、現地4月9日に急性虫垂炎で倒れて手術を受けた。レギュラーシーズンのラスト3試合と、セルティックスとのファーストラウンド最初の3試合を欠場して戦線復帰。第4戦は26得点10リバウンド6アシストを記録するも、チームはセルティックスの勢いに抗うことができず敗れて1勝3敗に。崖っぷちで迎えた現地4月28日の第5戦、エンビードは33得点4リバウンド8アシストの活躍で、勝利の立役者となった。

復帰戦となった第4戦では、立ち上がりで飛ばしすぎた。今回は第1クォーターで3ポイントシュートを狙い、ペリメーターからパスをさばくことを優先して得点は2と伸びなかったが、第2クォーターに入ってペイントを攻め始めると存在感が増していった。ニーミアス・ケイタとニコラ・ブーチェビッチのどちらがマークしていても冷静の相手の動きを読み、腰が引けていると見ればミドルシュートを打ち、プレッシャーを掛けてくればターンしてかわしてゴール下を決めた。

ポストアップで押し込んで勝つこともできたが常にアクセル全開ではなく、アクセルを踏むべき時を見極め、そうでない時は攻め気だけを見せてディフェンスを引き付けてパスをさばいた。

第4クォーターの残り7分から16-3のランでセルティックスを突き放し、113-97の快勝。2日前は34分だったエンビードのプレータイムは39分まで伸び、「復帰前にちゃんと練習できたのは1回だけで、体力的には正直キツいよ」と言うものの、「試合勘は取り戻せているし、今日も後半にリズムをつかめた」と、復調に自信を持っている。

第1クォーターでフィールドゴール6本中1本成功と『錆び付き』が心配されたが、エンビードは「3ポイントシュートを打つゲームプランに引っ張られすぎた。復帰2戦目で感覚を探っていたところもある」と言う。指揮官ニック・ナースは、3ポイントシュート多投が自分の指示であり、良い形は作れていたことで「心配するな」とエンビードを励ました。

「前回はブランクもあって、あまり良いパフォーマンスができなかった。今日も立ち上がりは悪かったけど、試合が進む中で調子を上げていけた。試合ごとに調子を上げられると感じているよ」

第4クォーターはエンビードが攻守を支配した一方で、セルティックスはフィールドゴール22本中3本成功(13.6%)とシュートが全く決まらなかった。シュート力に定評のあるチームの突然の不振は、エンビードにリズムを狂わされたことも一因だろう。「2点は与えても3ポイントシュートは決めさせない、と声を掛け合っていた。3ポイントシュートを打たせず、あとはオーバーヘルプに行かないよう注意して、1対1で守ることを徹底した」とエンビードは明かす。

そして攻めでのエンビードはアンストッパブルな存在だった。「毎回ダブルチームが来たので、自分でシュートに行くのもオープンな味方にパスを出すのも、好きなチャンスを選べる状態だった。インサイドでの1対1なら誰が相手でも止められない自信がある。そこで大胆に攻めれば、チームにワイドオープンのチャンスを作り出すこともできる。まだシュートタッチは100%に戻っていないが、少しずつ良くなっている。次はもっと良いプレーができるよう頑張るよ」

急性虫垂炎の手術後は安静が必要で、十分な練習ができていなかった。古傷の膝の不安もあり、全力で走ったり跳んだりする激しい動きは控えながらのプレーとなるが、それでもコートに立って競い合うことがエンビードの望みだ。

「ここまで大変だったけど、コートに戻ってチームに貢献したいとばかり考えていた。オフを後悔して過ごすのは嫌だからね。1試合ずつ戦う権利をつかみ、またコートに立つ。プレーできることに感謝したいし、あとどれだけプレーできるか分からないから、できる限り楽しみたいんだ」