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キャブズの守備に苦しみ沈黙も「こういう日もある」

NBAファイナル第4戦、ウォリアーズはキャバリアーズに116-137と大差で敗れ、ポストシーズン無敗での『完全優勝』の夢は断たれた。たった1敗しただけとはいえ、『3勝1敗』はウォリアーズにとっては不吉な言葉である。土壇場で不可能と思われた勝利を挙げたキャブズの面々が大いに盛り上がる中、ウォリアーズの選手たちは足早にコートを後にした。

ステフィン・カリーもその一人。立ち上がりからキャブズの勢いに飲み込まれた試合展開にあって、カリーの第1クォーターの得点はフリースローによる2点のみ。第2クォーター半ばに決めた3ポイントシュートが初のフィールドゴールになったが、その後も得点は伸びず。フィールドゴール13本中4本成功、14得点はプレーオフに入って最低の数字だった。

キャブズはフィジカルなディフェンスでカリーを抑えにかかった。それは過去2シーズンのファイナルを通じてのもので、これまで『技術と工夫』で乗り越えてきたが、この第4戦に限っては完璧に抑えられた。10アシストを記録したものの、ファウルをもらうプレーもできず(得たフリースローは5本のみ)、最大の武器である3ポイントシュートは9本中2本と精度を欠いた。

「こういう日もある」とカリーは気持ちを切り替えようと試みながら話す。「今日は第1クォーターに攻守の両面で自分たちのやり方ができなかった。相手は窮地に追い詰められた状態で向かってきたからね。だけど僕たちはシーズンを通じて挽回してきた。異なる様々な経験からも学んできた。第5戦に向けて修正できる状況は望ましい」

「負けてコートを出るのは久しぶりの感覚で……」とカリーは言う。それは気分の問題ではなく、事実だ。プレーオフ1回戦、トレイルブレイザーズとの初戦が行われたのは4月16日で、そこから勝ち続けてきた。レギュラーシーズンも含めて見ると、4月10日のジャズ戦が最後の負け。実に2カ月ぶりに『敗戦の味』を噛み締めたことになる。

4シリーズ連続のスウィープという『偉業』を成し遂げることはできなかったが、それを問われたカリーは照れたような笑みを浮かべて「僕たちの目標はこのリーグを制すること。その道のりは問わないよ」と言う。

敗戦は悔しいはずだが、彼は必要以上に落ち込んではいなかった。「最初から簡単に優勝できるとは思っていない。僕たち全員が優勝を切望している。あとはつかみ取るだけさ」

第5戦は現地12日(日本時間13日10時)、ゴールデンステイトに戻っての試合になる。