「ミスから流れを完全につかまれてしまった」

4月22日、京都ハンナリーズはアウェーで群馬クレインサンダーズと対戦した。序盤から群馬に先行を許しながらも、第1クォーターは粘り強く食らいつく展開に。しかし、第2クォーター以降に点差を広げられ、最終クォーター残り6分33秒にはこの試合最大となる31点のビハインドを背負った。終盤で盛り返したものの、力の差を見せつけられ66-84で敗戦を喫した。

京都の伊佐勉ヘッドコーチは試合後、「チャンピオンシップに出るチームと、あと数試合でシーズンが終わるチームのレベルの差を感じました」と振り返った。

京都は今シーズン群馬と4回対戦し、今節を迎えるまでは2勝1敗と勝ち越していた。勝利した2試合は、いずれも後半で粘り勝ちができていたが、この日は再現できなかった。

攻守でチームを支えたホール百音アレックスは、この日の後半の出来を悔やむ。「群馬さんには勝ち越していて良いイメージもありましたが、今日は自分たちのミスからオフェンスもディフェンスも強度がグンと落ちてしまい、流れを完全につかまれてしまいました」

結果的に第2クォーターの群馬の高確率な3ポイントシュートを抑えきれずに点差を離された。それでも全員でボールに食らいつき、前半の流れを完全に受け渡すことはなかった。ファイトし続けられた要因をホールはこう語る。

「強みであるCJ(チャールズ・ジャクソン)を軸に、ペイントでの攻撃は作れていました。オフェンスが良いとディフェンスも良くなっていたので、そこは良かったと思います」

しかし、終盤の追い上げを除いて後半は主導権を握られる時間が続いた。その要因として、4月上旬から川嶋勇人と前田悟が欠場していることが大きいとホールは言う。

「メインでプレーしていた2人がいないのは大きな穴でした。コート内外のメンタル面も含めて影響は大きいです。ミスが続くとズルズル崩れてしまう試合がここ数試合あったので、2人の存在の大きさを感じています」

ハンドラーを担える2人の不在により、ガード陣への負担は増加。「その分、自分が意識してやる必要がありました」と語る通り、ホールは積極的なプレーでチームを牽引した。

残り4試合「一生懸命チーム一丸となって戦っていく」

ホールは2019-20シーズンに特別指定選手で横浜ビー・コルセアーズに加入するも、多くの出場機会を得ることなく、シーズンはコロナ禍で途中終了。その後はB2を主戦場にし、昨シーズンは青森ワッツで平均9.8得点、3.4リバウンド、1.6アシスト、1.7スティールを記録してスティール王にも輝いた。そして、今シーズンからB1の舞台に戻り、主力を担っている。

ホールは開幕節こそ先発だったが、その後はセカンドユニットでの起用が続いた。しかし、2月中旬以降は先発に定着し、この試合も含め19試合連続で先発出場。特に4月に入ってからはオフェンス面でもステップアップを見せ、安定して得点を重ねている。

この試合でも、思い切りの良さが光った。第2クォーター残り8分31秒、古川孝敏のハンドリングに対して自身のマークマンが寄ったスキを狙い、コーナーにドリフト。パスを受けて3ポイントシュートを沈めた。群馬のディフェンスシステムの裏を突いたプレーだった。

「コーチ陣がスカウティングをしっかり準備してくれていて、その通りの内容でした。フルさんも分かってパスを出してくれたと思います。あそこは思い切って打ちました」

さらに後半の出だしには、積極的なドライブからバスケット・カウントを獲得。その場面の心境を次のように明かす。「どうしても3クォーターで流れを悪くしてしまう試合が多かったので、思い切り行こうと意気込んでいました」

ディフェンスでも群馬の起点となる選手とマッチアップし、フィジカルと機動力を生かした守りで奮闘した。しかし、チームは第3クォーター中盤以降に流れを失い、悔しい結果となった。

今シーズンは残り4試合。カテゴリーを上げて挑戦を続けるホールは、ここまでを振り返り、一定の手応えを得ている。「序盤は苦戦しましたが、最近は良いリズムでアタックやシュートができています。強度にも慣れてきました」。その一方で、課題も見えてきた。「ただ、アタックしても、その後の判断が上手くなくてターンオーバーに繋がることもあります。そこは改善していきたいです」

今節を終えて、京都は18勝38敗。苦しい状況だが、ホールは前を向く。「まず次節の2試合がホームでのラストゲームになります。思い切りプレーして、ファンの皆さんに楽しんでもらえるように一生懸命チーム一丸となって戦います。最終節には長崎ヴェルカ戦が待っているので、しっかり準備してチャレンジしていきます」