
「この仕事に賞味期限があることも理解している」
プレーインのサンズ戦、第4クォーターの残り1分でウォリアーズの指揮官スティーブカーは、ステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンをベンチに下げた。この時点で94-110。カリーにもう足は残っておらず、ウォリアーズの爆発力が発揮されることはないと敗北を受け入れた。
2025-26シーズンが今まさに終わろうとするところで、指揮官カーはサイドラインでステフとドレイモンドの肩に手を掛け、言葉を交わした。カリーによればカーは「まだどうなるか分からないが、もしこれが最後になら、この瞬間を共有したい」と伝えたそうだ。
2014年からウォリアーズの指揮を執り、NBAに一時代を築いてきたカーは、今シーズン限りで契約が切れる。試合後の会見で3人で交わした抱擁の意味を問われたカーは「それは君たちには関係のないことだ(笑)」と言って周囲を笑わせ、自身の進退についての率直な思いをこう語っている。
「1週間か2週間休んで、それからジョー(オーナーのジョー・ラコブ)とマイク(GMのマイク・ダンリービーJr.)と話し合う。彼らのプランを聞き、私も自分の意見を言う。ウォリアーズの次なる計画、このオフの動きについて語り、一緒に結論を出すつもりだ」
「何が起きるかは分からない。私はコーチ業がまだ好きだが、この仕事に賞味期限があることも理解している。一つの時代があり、それが終われば新しい血や新しいアイデアが必要になる。そうなったとしても、このチームをコーチする人生で最も素晴らしい機会を与えられたことには感謝しかない。まだ続くかもしれないし、そうならないかもしれない。まずは一旦離れる必要があるんだ」
彼自身が落ち着いて自分の今後について考える必要があり、クラブ首脳がウォリアーズの今後をどうしたいのか、そのプランを待つ必要もある。その結論が出るまで、周囲はやきもきすることになりそうだ。
カリーもその一人だが、決断に時間が必要ことを理解してもいる。「コーチには幸せであってほしいんだ」とカリーは言う。「コーチという仕事にワクワクして、自分が適任だと感じて楽しんでほしい。それが彼にとって何を意味するかは、自分の人生だから彼はよく分かっているはずだ」
Steph Curry, Draymond Green and Steve Kerr share a moment after their 14th season together ♥️ pic.twitter.com/ivu63E5VL2
— NBA (@NBA) April 18, 2026
それでもカリーも、ウォリアーズには今までとは異なるアプローチが必要だと感じている。これは勝ち負けとは関係なく、これまで彼が決して発しなかった類の言葉だ。
「この17年間を振り返ると、最初の2年間は土台を築くのに必死だった。一度優勝すると、すべてがそれを基準に動くようになった。でも、今のゲームのスピード、身体能力に合わせて、良いチームには何が必要かという基本に立ち返らなくてはならない。ずっと『優勝』と言い続けるのではなく、今のバスケに合わせた土台を作り直す。それにはすべてを白紙に戻したところから考え直す必要がある」
自分とグリーンを抱き寄せたカーの言葉は「衝撃的ではあった」とカリーは認める。それでも「彼は未来へのドアを開けたままにしていた」と、まだ一緒に旅路を続ける可能性が残されていることも強調した。
ドレイモンド・グリーンも同じ質問をされたが、反応は少し異なる。カリーが「様子を見てみよう」と落ち着いていたのに対し、グリーンはもっとストレートに「離れ離れになるのを想像したくない」と自分の感情を語った。
「僕のキャリアにおいて最も幸運なのは、ずっと同じコーチの下で、同じチームにいられたことだ。僕は変化を好むタイプじゃない。この最高の環境が変わってしまうとしたら、上手く対応できるか分からない。だから変わらないでほしいし、変わるなんて考えたくもない。スティーブが戻らない可能性はあるのは分かっているよ。ただそうなってほしくないんだ」
カーだけでなく、カリーにもグリーンにも去就問題はある。カリーは来シーズンに6260万ドル(約94億円)の契約を残すのみ。今オフに行われるであろう延長交渉について「もちろん話し合いはあるだろうけど、まだ先の話だ」と彼は言う。
膝の痛みを抱えながらシーズンを少しでも引き延ばそうとした挑戦が終わったばかりで、「まずは休みが必要だ。来シーズンに向けた準備はそれからだ。『ゴルフをたくさんやると膝に良い』という研究結果があると聞いたんだ(笑)」とカリーは冗談を言った。「長期的な症状が残るとは思っていない。来シーズンのトレーニングキャンプに最善の状態で入れるように、しっかり調整するよ」