タイリース・ハリバートン

「以前と同じではなく、それ以上のレベルで戻る」

ペイサーズは球団史上最悪となる19勝63敗でシーズンを終えた。それでも来シーズンは、東カンファレンスの優勝候補に返り咲くと見られている。主力は全員残留する見込みで、昨年オフに退団したマイルズ・ターナーの代役にはイビチャ・ズバッツを補強済み。ロッタリーで幸運に恵まれれば、『豊作のドラフト』で即戦力を加えられる。

そして、昨シーズンのNBAファイナル進出の立役者であり、その『GAME7』でアキレス腱を断裂する悲運に見舞われたタイリース・ハリバートンの復帰は、ペイサーズにとって最大の上積み要素となる。

今シーズン最後の会見でハリバートンは「リハビリは順調で、5対5の練習も始めたところだ。本当はオールスター明けには5対5ができる予定だったんだけど、帯状疱疹に悩まされている。帯状疱疹とは今も戦っているけど、足はもう問題ない。何の制限もなく練習場で走らされているよ」と、彼らしい快活な笑顔で語った。

「以前と同じではなく、それ以上のレベルで戻るつもりだ。そのことにプレッシャーは感じない。正直、僕の人生においてプレッシャーは存在しない。周囲の人たちは僕に高い期待を寄せるけど、誰よりも高いレベルを僕に要求するのは僕自身だ。昨シーズンに僕が『目標はカンファレンスファイナル以上』と言った時、君たちは誰も本気にしなかったよね?(笑) でも僕たちは成し遂げた。そのレベルまで自分たちを追い込んだからだ」

今のハリバートンはかなり太って見えるが、それは帯状疱疹でかなりの薬を飲んでいるからだと言う。「SNSで『デブ』と書かれているけど、今は反論できない(笑)。多くの人は帯状疱疹は腹部に出るけど、僕の場合は顔に出て、目が腫れて塞がってしまった。でも最悪なのはそれからで、発疹が消えてから恐ろしい痒みに襲われた。50歳以上の人は今すぐワクチンを打つことをお勧めするよ」

「5対5は始めたけど、信じられないほど身体は鈍っている。でも、長いリハビリを乗り越えるために、僕は小さな喜びを見つけるのが上手くなった。動きに全くキレがなく、シュートを外しまくってイライラしたけど、『5対5は10カ月ぶりだろ』と言われたら『そうか、5対5ができるなんてすごい進歩だ』と自分に言い聞かせている。リハビリ中はそんな小さな喜びを見つけるのも簡単じゃないからね」

「今シーズンは座ってバスケを学ぶ1年だった。もちろん楽しくないし、チームが苦戦していたからなおさら辛かった。でも、ケガはコントロールできることじゃないし、僕らが何か間違いをしたから起きたわけでもない。今も健康を維持して戦い続けるサンダーと僕たちとの違いは運だけだと思う。だから起きてしまったことは受け入れ、この長いオフにみんなが身体を鍛えて、来シーズンにはケガの不運が起きないことを願うだけだ」

彼の思いはもう2026-27シーズンへと向かっている。「この1年、正直に言えばチームの基準が下がってしまうことはあった。『何があっても自分たちのレベルを保つんだ』と話し合って迎えたシーズンだけど、これだけケガ人が出てラインナップが入れ替わると、維持するのは難しい。でも、それはこのオフとトレーニングキャンプで必ず修正すると約束するよ」

「僕が復帰して、みんなも健康を取り戻す。そうなれば僕らの目標は優勝以外にあり得ない。このオフはそのための準備をする。みんな同じ気持ちだよ。幸運を祈りつつ、全員が正しいオフを過ごし、来シーズンは100試合以上を戦い抜く身体を作る。言い訳をせずに、絶対にやり遂げてみせるよ」