アドマイティスヘッドHC「トドメを刺す、容赦のなさが欠けている」

アルバルク東京は秋田ノーザンハピネッツとの第1戦に85-68で勝利し、連敗を5で止めた。

しかし連敗脱出の安堵より、圧倒し切れないもどかしさのほうが多く残る内容だった。実際、デイニアス・アドマイティスヘッドコーチは勝利したにも関わらず厳しい表情を崩さなかった。前半に20点近いリードを奪いながら、後半に再び追い上げを許した展開は、手痛い逆転負けを喫した前節の仙台89ERS戦のデジャヴだったからだ。A東京は早々に秋田のインサイド陣をファウルトラブルに追いやり、終始試合を優位に進めた。それでも、決定打を与えられず秋田に最後まで粘られた。

アドマイティスヘッドコーチは「我々には相手にトドメを刺す、容赦のなさが欠けている」と振り返った。「前回の仙台戦でも第3クォーターに20点のリードがありました。その状況から逆転を許したということは、我々がまだソリッド(堅実)になりきれていないことを示しています。試合は20分ではなく40分間です。試合全体を通じて一貫性を保ち、リードを広げ続ける戦いをしなければなりません」

先発ガードのテーブス海は約19分のプレータイムで2得点2アシストを記録。ここまで平均8.8得点、5.1アシストを挙げていることを考えれば物足りない数字だが、それよりもゲームコントロールに徹しているように映ったことが気になった。テーブスは深く考え「(ヘッドコーチが)そうなってほしいんだと思います」と語った。

「ディフェンスのプレッシャーとか、プレーコールをしてボールを散らすこと。自分がパスした人がアシストするかもしれないし、そういうところを言われた通りにやろうと思ってプレーしました」

「今はどんな形でも勝つことが大前提」

今シーズンのテーブスはケガに悩まされ、レギュラーシーズンは今回が18試合目の出場。3月11日のアルティーリ千葉戦で復帰したが、その間にチームは調子を上げていたため、「自分が復帰してリズムを壊したくない」という感情を持ちつつ、「早く自分のリズムを取り戻さないといけない」という難しい状況にいた。勝利を積み重ねれば悩む必要はないが、結果的にこの大事な終盤戦に5連敗を喫した。「やっぱり、自分らしいプレーでチームを引っ張りたい」という願望はあるが、今このチームが置かれた状況はその理想を追求することを許さない。

テーブスは言う。「正直、今そんな余裕もないというか。本当に目の前の勝利が一番大事という状況になりました。どうフィットするかとかそういうレベルじゃなくなってしまって、個人としては残念です」

もちろんゲームコントロールを優先することは悪いことではないし、簡単なことではない。実際に秋田のミック・ダウナーヘッドコーチは「ゲームプランを遂行できずに、フラストレーションが溜まる内容だった」と振り返るとともに、「アルバルクさんのガードはしっかりゲームコントロールをして、外国籍選手たちがペイントの中で確実なシュートを決めていたところが素晴らしかった」と遂行力の差を敗因に挙げていた。

ただ、日本代表にも名を連ねるオフェンシブなテーブスにとって、強みであるペイントタッチや得点力を意図的に制限することは決して本望ではないはずだ。それでもプロとして、『勝つために自分を殺す』ことを受け入れ、前を向く覚悟を決めた。

「今はどんな形でも勝つことが大前提なので、まず今日勝ったことを本当にうれしく思うし、こうやってチームがちゃんと反応したことも誇りに思います。今は自分がどうしたいとかそういうレベルじゃないので、チームが良い方向に進んでいるのであれば、それを徹底してプレーしていきたいです」

やりたいことを封印し、やるべきことに徹する。理想と現実の狭間で、テーブスは今キャリアでも屈指の難しい舵取りを強いられている。しかし、この経験はチームを勝利に導く、真のリーダーシップを育むはずだ。