
比江島欠場も「自分の役割が増えることはない」
3月11日、宇都宮ブレックスはホームに茨城ロボッツを迎えた。序盤は茨城に先行を許したものの、セカンドユニットで流れを変えてリードを奪い返した。その後、茨城に何度も反撃を受けたが、要所を抑える勝負強さを見せて90-84で勝利を収めた。
前節の佐賀バルーナーズ戦で比江島慎が負傷し、今節を欠場。さらに高島紳司もファウルトラブルで13分38秒と出場時間が伸びない中で、チームを救う活躍を見せたのが遠藤祐亮だった。今シーズン最長となる26分48秒の出場で16得点3アシストを記録し、ウイング陣の緊急事態を救った。
宇都宮のジーコ・コロネルヘッドコーチは、遠藤を次のように評価する。「精神的に強い選手です。今日は彼の責任が重くなった試合でしたが、しっかりやらないといけないことを認識して試合に入ってくれたと思います。高確率でシュートを決めてくれたのもありますが、茨城さんのやりたいことをやらせないディフェンスを遂行してくれました」
試合後、遠藤は安堵の表情で試合を振り返った。「比江島選手が出られない中で、全員が自分の役割をしっかりやって勝てたのでよかったです。比江島選手がいなくてもチーム内の自分の役割が増えることはないです。チャンスがあったら打とうと思うだけで、特にいつもと変わりなくやりました」
外から見れば3ポイントシュートを8本中4本決めてのハイパフォーマンスだが、遠藤はこれもいつも通りだと強調した。第1クォーター終了間際の3ポイントシュートや、競った展開で迎えた最終クォーター残り3分の3ポイントシュートなど、重要な場面で活躍しチームを支えた。自身のオフェンス面での活躍は若手選手の成長があったからだと続ける。
「小川(敦也)選手がケガから帰ってきて、高島選手と2人で前からディフェンスを仕掛けてくれるので、体力的にも精神的にも余裕が出てきました。今まではディフェンスでへばるという感じだったけど、これからはより得点でチームに貢献できればと思っていましたが、今日はそれができました。これからもプレータイム短い中で効率よく得点できれば、よりチームの力になれると思います」
「3ポイントだけでなく他のことも自分らしくできたら」
遠藤は宇都宮の不動のスタメンとして、これまでのキャリアを歩んできたが、今シーズンは先発がここまで1試合のみとチーム内の役割が変わってきている。その分、出場時間も微減しているが、フィールドゴール成功率は上昇しており、ディフェンスでも素晴らしい状況判断を見せる。リーグ屈指の3&Dとしての存在感は変わらない。
「向上心は若い時のほうがあったと思いますが、Bリーグのレベルが上がっている中で、自分にできることとできないことが歳を重ねるごとに分かってきています」と遠藤は言い、自身のさらなる進化を意気込む。「やらなきゃいけないなという部分を自分で見つけて練習しても、それを試合で出せない場面が多かったですが、今はできるようになってきたので、3ポイントだけでなく他のことも自分らしくできたら良いなと」
宇都宮は今節を終えて32勝10敗で東地区首位。3シーズン連続の地区優勝、そして2シーズン連続の年間チャンピオンに向けて突き進んでいる。しかも、チームは伸び代も残している。昨シーズンは2位、一昨シーズンは1位の少なさを誇ったディフェンシブレーティング(100ポゼッションでの平均失点)が今シーズンは現状10番目。ディフェンス力のさらなる向上が、この先のカギとなるだろう。
遠藤はチームディフェンスについて次のように語る。「チームのゲームプランに対して、コート上の選手たちが『こうしたほうが良い』を擦り合わせることができていて、前半はやられても後半守り切れる試合も増えてきています。今日は84失点で、とられてはいけない選手に得点されてしまったので、チームとして共通認識を持っていく必要があります」
緊急事態でもブレックスメンタリティを体現してチームを勝利に導いた遠藤。最後に終盤戦に向けて、さらにチーム力を上げるポイントを話す。
「3年くらい同じメンバーでやっているので、しゃべらなくても分かる部分はありますが、コミュニケーションを取らないでやられる場面も多いです。長くやってきたからとあぐらをかかずに、同じ方向を向いていければ、去年のチャンピオンシップで出せたクオリティになると思います」
