富樫勇樹

「与えられた時間でチームに流れを持ってこられるように」

男子日本代表は、『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window2の韓国戦に78-72で競り勝った。これで1次ラウンドグループBは、日本が3勝1敗で首位、韓国と中国が2勝2敗、チャイニーズ・タイペイが1勝3敗。日本は7月に予定されている1次ラウンド最後の2試合で韓国、中国とそれぞれアウェーで対戦というタフな状況ではあるが、上位3チームが駒を進める2次ラウンドに向けて大きく前進した。

キャプテンの富樫勇樹は11分6秒出場で3得点3アシスト2リバウンドを記録。前半を五分五分で終えた第3クォーターの苦しい時間帯を我慢しての粘り勝ちをこう振り返る。

「後半はターンオーバーから入ってしまって、(第3クォーターで失速して逆転負けを喫した)前回の中国戦の記憶がちょっとよみがえりましたけど、今回はディフェンスで我慢できました。やられてはいけない選手にやられた部分や自分たちのコミュニケーションミスもありましたがそれでも結果が全てで、この1勝は本当に大きな1勝だと思います」

2月26日の中国戦で負傷が心配された富樫は、万全とは程遠い状態の中でもやるべき仕事をしっかりと遂行した。「しっかりとケアしてくれたメディカルスタッフに感謝しないといけないです。正直、昨日の時点では出場できるのかかなり怪しかったので、出られて良かったです。そもそも20分、25分と出ることがないのは分かっていたので、与えられた時間でチームに流れを持ってこられるように心がけていました」

そして、「コンディションに関して間違いなくアレックス(カーク)のほうが良かった」という桶谷大ヘッドコーチの判断から中国戦は欠場したものの、この試合では35分出場で24得点8リバウンドと大暴れしたジョシュ・ホーキンソンの貢献をこう称える。

「当たり前のように活躍してくれていますが、強化合宿の当初はちょっと疲れてるかな、という印象が僕の中でもありました。そういう意味で、中国戦で出し切った上で韓国戦に出場するのはもしかしたら厳しかったのかもしれません。今日の試合に向けてしっかり準備して活躍してくれて、本当にすごい選手だと思います」

これで日本は、桶谷ヘッドコーチ新体制で迎えたWindow2は1勝1敗。新しいスタッフの下、準備期間が短いことを考慮すれば上出来と言える内容だ。富樫もまだまだ未成熟な部分は多かったと振り返る。

「ディフェンスの細かい部分は、数日間の練習では『この状況だったらどうするのか』というところまでイメージしながらはできていなかったです。その中でミスコミュニケーションも少しありました。そこを改善していくには、試合を重ねていかないといけないです」

また、富樫はチームリーダーとして、スタッツに残らない部分も含め、周囲が一目置く彼だからこそできる役割を全うした。例えば韓国戦の第4クォーターに爆発した齋藤拓実には「『もうちょっとやっていいんじゃないか』」と絶えず助言を送っていたという。

中心選手の1人として、1試合20分以上プレーするという状況は減っていくかもしれない。だが、富樫の存在はまだまだ代表にとって不可欠なことを示した今回のWindow2となった。