ディアンドレ・ジョーダン

4カ月ぶりの実戦で15リバウンド4ブロック、守備の要に

ペリカンズはオールスターブレイク明けにいきなり2日連続の試合が組まれ、初戦のバックス戦で139失点を喫して大敗。その翌日のセブンティシクサーズ戦で、ヘッドコーチのジェームズ・ボーレゴは「寝る前にアイデアが降りてきた」というスタメン変更に踏み切った。ガードのブライス・マクゴーウェンズをベンチに回し、センターのディアンドレ・ジョーダンを先発起用。ザイオン・ウイリアムソンとデリク・クイーンとともにビッグラインナップを組ませた。

ジョーダンは37歳の大ベテランで、ナゲッツでニコラ・ヨキッチのバックアップを務めた過去3シーズンを経て、ペリカンズに加入した。かつて『ロブ・シティ』と呼ばれたクリッパーズ時代はリーグ最高のセンターの一人だったが、センターにも多彩さが求められる時代に置いていかれた今、彼の役割はこれまでの経験を若手に伝えるメンターだ。

今シーズンは開幕当初の2試合に出場した以降は出場機会のなかったジョーダンだが、この時のための準備を怠ってはいなかった。シクサーズを相手に一歩も引かない戦いを演じ、126-111での勝利に貢献。32分の出場でシュートをほとんど打つことなく得点こそ6に留まったが、15リバウンド4ブロックと『時代遅れのセンター』の仕事を完璧にやり抜いた。

指揮官ボーレゴは、試合後の会見で開口一番に「ディアンドレはどれだけ称賛しても足りない」と熱っぽく語った。「ペイント内でのフィジカル、リムプロテクション、威圧感。そのすべてを最高のレベルで発揮してくれた。ブロックショットにならずとも、相手がゴール下へと攻めるのを躊躇する場面が何度もあった。この活躍に相応しい努力を彼はしてきたし、そのプロフェッショナル精神や人間性がこのチームを高めている。そのリーダーシップはスタッツでは計れない」

ジョーダンがペリカンズと契約したのは開幕の数日後であり、その直後の2試合はチームメートのことをほぼ何も知らない状態でのプレーだった。それから4カ月ぶりの実戦だったが、ジョーダンはごく自然にそれを受け入れた。

「アリーナに着いてすぐにJB(ボーレゴ)から聞いた。このリーグでチャンスを得られるのはいつだって素晴らしい贈り物だ。いつだって準備はできていた。ローテーションを外れたりプレータイムの短い選手で、試合前や練習の前後に5対5のミニゲームをやって実戦の感覚を失わないようにしていたから、足はちゃんと動いてくれたよ」とジョーダンは言う。

前日の低調なパフォーマンスが出場機会をもたらした形だが、「自分がプレーすれば状況を変えられるという考え方はしなかった。チームとしてどう改善できるかだけを考えていた」とジョーダンは言い、出場機会が少ないどころか4カ月近く全くプレーしない状況にも「それも仕事の一部」と言い切る。

「このチームにはザイオンがいて、新加入のケボン・ルーニー、クイーンやイブ(ミッシ)、カルロ(マトコビッチ)といったチームの将来を担うビッグマンがいる。自分に出番はないかもしれないこと、メンターとしての役割を求められていることは分かっていた。だけど、自分が呼ばれた時にはいつでも準備ができていなければならない。それが今日だった」

メンターとしての彼の価値を示す一幕もあった。ルーキーのクイーンがシュートモーション中に背後から押されたことに怒って相手に詰め寄った際、ジョーダンになだめられるとすぐ落ち着いた。シクサーズの選手にもすぐさま声を掛けて乱闘になりかねない一触即発の事態を収めた。選手としての全盛期は過ぎたかもしれないが、彼の人間性が周囲から認められているからこそのシーンだった。

メンターの役割を受け入れていても、試合で活躍する喜びが格別なのは変わらない。ジョーダンは「チャンスをもらえれば、また今回のような働きができるようベストを尽くすよ」と上機嫌で語り、こう続けた。「今夜はちょっと良いワインを開けるよ。ボルドーにしよう」