ポール・ジョージ

ケガで出遅れるも、攻守の繋ぎ役として存在感を見せる

セブンティシクサーズのポール・ジョージが、薬物規定違反によりNBAから25試合の出場停止処分を受けた。現地1月31日のペリカンズ戦から3月25日まで約2カ月の欠場となる。

その後、ジョージは次のコメントを発表している。「最近の治療で不適切な薬を服用する過ちを犯した。この判断ミスについて、クラブとチームメート、フィラデルフィアのファンに謝罪し、すべての責任を負う。復帰した時にチームに貢献できるよう、心身のコンディションを整える」

ジョージは2024年オフにフリーエージェントとなり、クリッパーズからシクサーズの移籍を選んだ。しかし、昨シーズンは41試合出場に留まり、今シーズンもオフに左膝を手術した影響で開幕から約1カ月出遅れ、復帰後もしばらくはリズムをつかむのに苦労した。

それでも12月以降はコンスタントにプレーし、攻守両面で力を発揮。ジョエル・エンビードの復調も加わり、チームはシーズン後半戦に向けて良い感触を得られていたところ。数日前、バックスに勝って昨シーズンの勝利数を超えた時のジョージは、「噛み合っている時の僕たちはニックスやキャブズと肩を並べられる位置にいる」と、東カンファレンスでさらに順位を上げることに自信を見せていた。

今シーズンのジョージは平均16.0得点、5.1リバウンド、3.7アシストと、クリッパーズ時代からスタッツを大きく落としており、世間からは全盛期を過ぎたと見られている。それでも直近のパフォーマンスのレベルは高く、オフェンスではタイリース・マクシーやエンビードのチャンスをお膳立てするだけでなく、ルーキーのVJ・エッジコムなど若手に活躍の機会を譲りつつ、自分も要所で得点を決めていた。さらに重要なのはローテーション全体をカバーするディフェンスでの万能性。どんな試合展開でも安定して攻守の繋ぎ役を務められるという意味で、25試合の出場停止はチームにとって大きな痛手だ。

得点面はケリー・ウーブレイJr.とクエンティン・グライムスでカバーできるとしても、ディフェンスの万能性は誰か一人でカバーできるものではない。ようやく膝を気にせずプレーできるようになったエンビードの負担が再び大きくなるのも心配だ。

シクサーズは26勝21敗で東カンファレンス6位。この順位をキープすればプレーイン・トーナメントを経由せずにプレーオフに進出できる。それでもマジックとヒートが1ゲーム差で追っており、ペースを落とすわけにはいかない。ここまでジョージが出場した試合では16勝11敗、欠場すると10勝10敗と、「高額年俸に見合った活躍をしていない」という世間の評価とは裏腹に、彼の存在はチームの勝敗に大きく影響している。

アクシデントが起きるなら、トレードデッドラインの前であるこの時期の方が対処できるだけマシだが、シクサーズはラグジュアリータックス回避のために、補強ではなく戦力の削減が必要な状況だ。ただ、その判断はジョージの出場停止で非常に複雑なものとなった。