島田慎二

指名人数が伸びなかった2つの要因

2026年から始まる新リーグ『B.LEAGUE PREMIER(以下Bプレミア)』に向けた歴史的な一歩となる『Bリーグドラフト2026』が1月29日に開催された。宇都宮ブレックス、シーホース三河、名古屋ダイヤモンドドルフィンズを除く23クラブが参加した初回ドラフトは、10クラブが11名を、レバンガ北海道、仙台89ERS、名古屋ダイヤモンドドルフィンズがユース優先交渉権を行使し各1名を指名して閉幕した。

ドラフト志望届を出した108名のうち、今回のドラフトで指名されたのは11名。リーグが事前に実施したクラブへのヒアリングでは20名程度の指名が想定されていたが、実際は約半分に留まった。ドラフト終了後、囲み取材に応じた島田慎二チェアマンは「(Bプレミア所属クラブ)26クラブ中14人という指名数は想定内。全然ネガティブではありません」とコメントしつつ、今回のドラフトが抱えていた2つの『難しさ』について説明した。

1つ目は、2026-27シーズンより新たに導入されるサラリーキャップ。上限となる『8億円』をすでに超えているクラブが複数ある状況を踏まえて「現行の戦力を一定調整しないと(キャップ内に)収まらないクラブがある中で、若い選手にどこまで投資するかという判断が難しかったと思います」と話した。

2つ目はドラフト初年度限定の特例措置だ。「今シーズンに関しては、シーズンインするまでにプロ契約を実現できればドラフトを回避できるというルールがあったので、今回のドラフトにかかる可能性のある選手が10数人いませんでした。(特例がなくなる)来年以降はもっとうまくいっていくんじゃないかと思っています」

島田慎二

「常に新しいことに挑戦しながら業界に一石を投じていきたい」

上記のような難しさはかねてより懸念されていたことで、制度が整う来シーズン以降に先送りにすることもできたはずだ。しかし、島田チェアマンはB.革新初年度というタイミングにこだわったと明かす。

「いくつかの懸念があったとしても、このタイミングでスタートすることで若い世代に『ドラフトを介さないとプレミアに入れない』という状況を早めにインプットしたかった。それが育成環境や指導者の意識に変化をもたらし、結果として日本の強化に繋がるという判断で意思決定をしています」

また、指名漏れをした選手たちについては「サラリーキャップを踏まえて各クラブがシビアな判断をしたというだけで、将来性がないということではまったくありません」とコメント。「(下位カテゴリーの)B.LEAGUE ONEやNEXTで獲得を検討しているクラブもたくさんあると思う。そこでプレータイムを勝ち得て成長していくストーリーもあるので、ぜひチャンスをつかんでほしい」とエールを送った。

構想段階から様々な議論を呼び、島田チェアマンも「制度を設計から相当難産だった」と振り返るドラフトは、ユース制度との共存などを筆頭に引き続き課題が山積みだ。しかし、島田チェアマンは試行錯誤を重ねながら前進していくと力を込めた。

「Bリーグのチャレンジは、少なくともスポーツ界では一目置いて見ていただいている方が多いと思っています。正解はありませんが、まずはトライ&エラーするというチャレンジ精神が、野球、サッカーの次にスタートした第3勢力の使命だと思うので、常に新しいことにチャレンジしながら業界に一石を投じていきたいです」