前田怜緒

ターンオーバーが致命傷となり佐賀に連敗

アルティーリ千葉はオールスターブレイク明けの最初の試合でホームに佐賀バルーナーズを迎えたが、同一カード連敗を喫した。

第2戦は、第3クォーター開始から0-8のランを受けこの試合最大となる16点のビハインドを背負うも、ここで前田怜緒が奮起した。前田はタイムアウト明けのプレーで3ポイントシュートを沈めて悪い流れを切ると、立て続けに2本の長距離砲を成功させた。さらにハンドラーも務めてゲームをコントロールし、このクォーターだけで10得点1アシストを記録してチームをブローアウトから救った。

前田はこの時間帯をこのように振り返る。「シュートが入ってリズムをつかんでいたので余裕を持ってできましたし、ペースが速い中でも冷静な判断ができていた時間帯でした。黒川(虎徹)選手がちょっと出られない状況だったこともあり、僕がやらなきゃなっていう気持ちが前面に出たかなって思います」

前田の活躍もあり、4点差で最終クォーターを迎えたA千葉は残り2分30秒にも、マリアル・シャヨクの長距離砲で2点差に迫った。それでも、ここから2本連続でターンオーバーを犯し、デイビッド・ダジンスキーに3ポイントシュートを決められ、最終スコア73-79で敗れた。

「やりたいバスケはできている」と前田が言うように、A千葉はフィールドゴール成功率(41.9%)、アシスト(20)、リバウンド(44)など、主要スタッツで佐賀を上回っていた。それでも、追いかける時間が長い中、第1クォーターを除く3つのクォーターのフリースロー成功率が33.3%(4/12)だったことが反撃の勢いを失わせた。そして何より、ターンオーバーは佐賀の11に対し18とミスが多く、ターンオーバーから22得点を奪われたことが最大の敗因となった。当然ながら、前田もそれは理解している。

「ターンオーバーは今日の入りから修正しようと言われていて、できている時とできていない時がありました。そこの小さなミスがこの点差に繋がったと思います。ちょっとしたタイミングのズレだったり、ターンオーバーの数が本当に勝敗を分けたと思っていて、相手のハードに来るディフェンスに対して、こちらがもっとアグレッシブにやらないと勝てない。そう感じさせられた試合でした」

前田怜緒

「勝てる試合が続くと思っています」

ターンオーバーには、試合が止まるか止まらないかで分けられるライブターンオーバーとデッドターンオーバーの2種類がある。さらにトラベリングやパスミスなどディフェンスの圧に屈するパターンや、イリーガルスクリーンといったディフェンスが関係ない場面でのオフェンス側のミスなど、ターンオーバーと一口に言っても、そのミスの種類によって改善方法は異なる。

この試合の場合、A千葉はイリーガルスクリーンやボールをファンブルする場面が多く見受けられた。前田はターンオーバーを減らすために必要なことをこのように説明した。

「ほとんどのチームが佐賀さんのようにハードショウに来て、ハンドラーを潰すようなディフェンスをしてくると思うんです。そうなった時に大事なのがスペーシングで、空いているところはどこだという単純な考え方が一番突き詰めなきゃいけないところです。インサイドにパスが入ったら絶対に寄るディフェンスだったので、必然的にコーナーが空きますが、その時のパスの正確さは前半からしっかりやるべきだったと思います。後半はそういう形で3ポイントが何本か入っていたので、そこをやり続けるだけです」

「4クォーターにはオフェンスファウルも2回ぐらいありました。そこは気をつけてはいると思うんですけど、その時の感情だったり、『もっとプッシュしたい』っていうのが(悪いほうに)出てしまったのかなと思います。2、3点差の時に決め切れなかったり、大事な時間帯にターンオーバーを続けてしたことが差を広げられた原因だと思います」

B2を圧倒的な勝率で勝ち上がり、念願のB1昇格を果たしたA千葉だが、ここまで9勝23敗と厳しい戦いが続いている。それでも、今節を含めて8試合が2ポゼッション差以内での敗戦であり、ターンオーバーを減らすことができれば、黒星を白星へと変えることできるはずだ。また、2試合で平均22.0得点を記録した新戦力、シャヨクの加入もこれからの追い風となるはず。前田も「『巻き返すぞ』っていう気持ちしかない」と言う。

「チーム状況的にはポジティブな部分が多いかなと思います。新加入の選手も馴染んでいますし、バイウィーク中も良い練習ができました。あとは本当にちょっとしたタイミングのズレを突き詰めるだけでこの差は縮まると思います。自信がなくなったり、ネガティブになっているわけではなく、勝てる試合が続くと思っています」

主戦場をB2に変え、3年ぶりにB1の舞台に戻ってきた前田。オールラウンドなプレーだけではなく、彼の持つ経験値は苦戦が続くチームにとって貴重な財産だ。この先も彼が下を向かない限り、チームの灯も消えない。