小川敦也

「強度を高くやらないと、自分が出ている意味はない」

宇都宮ブレックスは1月24日、25日に行われたレバンガ北海道との上位対決を1勝1敗で終えた。ゲーム1を77-95で落とした宇都宮は、ゲーム2でも残り2分半で7点リードを土壇場で追いつかれオーバータイムに持ち込まれる嫌な流れとなったが、ここ一番で踏ん張り108-106と激闘を制した。

現在の宇都宮は東地区1位の24勝7敗と今シーズンも見事な成績を残しているが、明日は同地区2位の千葉ジェッツ、週末には地区4位の群馬クレインサンダーズと対戦する。さらに来週の水曜日にはアウェーで東アジアスーパリーグ(EASL)の香港イースタン戦を行い、中1日でリーグ最高勝率の長崎ヴェルカとの連戦と、タフな相手との試合が続く。

宇都宮にとってこの2週間はシーズンにおけるターニングポイントとなり得る正念場になりそうだ。ここで好成績を残すために必要なのは比江島慎、D.J・ニュービルの2大エースに依存せず、チームでいかに戦うことができるか。彼ら以外の選手のステップアップがより重要となってくる中、特に大きな期待を集めるのが若手ガードの小川敦也だ。

23歳の小川は昨シーズンの後半に大きな成長を遂げ、チャンピオンシップでも宇都宮の王座奪還に大きく貢献したが、オフに左足首の手術を実施。今シーズンの初出場は12月になってからと出遅れていた。それでも、開幕から主力を担っていた高島紳司の故障離脱もあり、天皇杯から先発で起用され、プレータイムも20分を超えている。

比江島とニュービルの負担軽減という重要な役割を担う小川は「特に痛いところもなく、コンディションもうまくいっています。あとはプレーの質を高めていくだけです」と、現状について語る。

また、プレータイムの増加についても「すごくうれしいですし、長く出ている方がリズムはとりやすいです」と歓迎する。切れ味鋭いドライブに加え、190cmのサイズと抜群のスピードを生かした密着マークも評価の高い小川にとって、コートに立つ時間が増える中で守備の強度を維持するのは決して簡単ではないが、「そこは気合いです(笑)。そして強度を高くやらないと自分が出ている意味はないので、頑張りたいです」と気にしない。

小川敦也

「もっとプレーの質を高めていきたい」

昨シーズンの活躍によって当然のように小川へのマークは厳しくなる。具体的にはドライブを抑えることに注力し、その結果として3ポイントシュートを打たれるのはある程度は仕方ないと、割り切った守り方をされることが増える。その最たる例が、天皇杯のベスト4で敗れたシーホース三河戦で、小川は3ポイントシュート5本中成功なしに終わった。

こういう結果が出ると消極的になってしまいがちだが、小川は「今は入っていないですけど、コーチの方、チームメートから『打っていけ』と言われています。三河戦で決めることはできなかったですけど、打ち続けていたら入る自信はあります。昨シーズンも打ち続けることでファイナルの大事な場面で決めることができました。そこはブラさずにやっていきたいです」と語り、メンタル面のタフさを見せる。

小川は普段から控えめな言葉が多く、強気な物言いで自らを奮い立たせるタイプではない。そんな彼だが、自身のチーム内の序列が昨シーズンから高まり、より多くの役割を任せられることへの自覚は強い。

「もっと自分はできますし、やらないといけないと思います。何試合かは3ポイントシュートやディフェンスで貢献できていますけど、常に高いレベルでやらないといけないです。そういう面でも、もっとプレーの質を高めていきたいです」。そして、「スタメンで出させてもらっているので、そこは責任を持ってやらないといけないです」と、前半戦の快進撃を支えた高島の穴を埋めたいと強い覚悟を示した。

このようにプレー面、メンタル面ともにたくましさ、頼もしさが増している小川だが、同時に良い意味で変わらない部分もある。今、チームには洛南の後輩である早稲田大1年の松本秦が特別指定選手として在籍しているが、先輩の頼もしい姿をプレーで見せたいかどうかを聞くと、「そういうのは全くないです」と即答する。「僕が(洛南に)教育実習に行った時の高校3年生で仲良くしてもらっていました。こうしてチームメートになるのは感慨深いですけど、まぁ楽しくやっています(笑)」

しっかりと地に足をつけて成長を続ける小川は、宇都宮の将来だけでなく、現在のチームでも重要な存在となっている。